思い込みに注意。相続人が気をつけたい3つのワード。

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相続の話になると、相続人どうしの間で「これでいいでしょ?」となりがちな場面があります。
でも、なんとなくの思い込みや判断が、後々のトラブルの原因になることも少なくありません。

そこで、相続人がつい口にしがちな3つのワードについてお話しします。

目次

「うちは相続税かからないでしょ」

相続のはなしになると、多くの方が口にするのがこの言葉です。

「うちは相続税かからないでしょ」と。

確かに相続税がかかるのは、10人に1人。
すべての相続に相続税がかかるわけではありません。

具体的には、相続税には基礎控除があり「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」を超えなければ、相続税はかかりません。たとえば、配偶者なしで子ども1人の場合は、財産が3,600万円までなら相続税はかかりません。

配偶者1人で子ども2人なら4800万円まで相続税はかからないということです。

これを聞いて「うちはそんなに財産ないから大丈夫」と思いがちです。

ただ、ここに落とし穴があります。

不動産の評価を甘く見ていたり、権利など目に見えないけど財産になるものもあります。
介護施設の預託金のように亡くなってからお金が戻ってくるようなものは、財産にする必要があります。

目に見える財産だけで考えていると、税務署からお尋ねが届いてから「えっ?相続税がかかるの?」となる可能性があります。

また、仮に相続税がかからないとしても、相続税の申告が必要な場合もあります。

「小規模宅地等の特例」を利用した結果、相続税がかからないという場合には、相続税を払わずとも申告は必要になります。

まずは「本当に相続税がかからないのか?」を事前に確認することが大切です。
税金がかからない場合でも、相続税の申告が必要になる場合があることを知っておきましょう。

「不動産は共有すればいいんじゃない?」

相続財産の中でも問題になりやすいのが不動産です。
なぜならお金と違って分けにくいからです。

お金なら等分にすることは、むずかしくありません。
不動産はどうか?

実は等分にする方法もあります。
それが不動産の共有です。

親が住んでいた家や土地を、相続人で共有にすれば、丸く収まるように思えるかもしれません。

「とりあえずみんなで共有にしておけば?」

財産をどう分けるか?は遺言書があれば遺言書をもとに。
遺言書がなければ、相続人どうしの話し合いで決めればいいはなしです。

ただ、おすすめはしません。

なぜなら、不動産を共有にしたはいいものの、その後に困るからです。

たとえば、共有した不動産を売る、貸す、修理するなどにも、全員の同意が必要になります。
一人でも反対すれば、塩漬けになります。

その後、共有するヒトにも相続があると、その権利はその相続人に。
共有者の数がどんどん増えていくという問題もあります。

たとえば、3人兄弟で共有した不動産が、3人の相続により、配偶者や子どもなどに権利がわたり、複雑になります。
10人以上で共有するような状況では、もはや収集がつきません。

不動産を相続する場合は、可能な限り共有することなく、単独で相続することをおすすめします。

ただし、相続後に空き家になるようなケースですぐに売る予定がある場合で特例(「空き家の3000万円控除」)を利用できるような場合には、それぞれに特例を利用できるため、あえて共有するのも手です。

「お母さんがぜんぶ相続すればいいよ」

相続後の家族の話し合いで、

「お母さんが全部相続すればいいんじゃない?」

という声が出ることがあります。

もめることを考えれば、はるかに穏やかなはなしです。
家族のことを考えてのことですから。

ただ、これも気をつけたいワードの1つです。

その理由の1つが2次相続のこと。

父の相続で母がすべてを相続した場合、母には配偶者の税額軽減という特例があるため、相続税はかからないことがほとんどです。
その後に母が亡くなったときには、今度は子どもたちがすべての財産を相続することになります。

これを2次相続とするわけですが、そのときの相続税が大きな負担になる可能性があります。

なぜなら、

・基礎控除の枠は1人分減って少なくなる
・2次相続では「父からの相続財産+母のもともとの財産」に相続税がかかる
・配偶者の税額軽減は利用できない
・相続人の数が減るため、相続税を計算するときの税率が上がる可能性もある

といった理由から、相続税が多くかかってしまうことになるのです。

グラフを見ても、1次相続で母が100%相続する場合には、2次相続で相続税が増えてしまうこともあります。
もちろん、相続対策のやり方しだいで変わることもあるでしょうけど、相続はいつあるかわからないので。

ということで。今だけでなく、この先までを見据えて、決めることが大事だということです。

相続は、一生に何度も経験するものではなく、メディアやヒトのはなしなど「なんとなく」の情報で判断してしまいがちですが、思い込みこそが実はトラブルの火種になります。

  • 「うちは相続税がかからない」
  • 「不動産は共有すればいい」
  • 「お母さんが全部相続すればいい」

といったワードには、特に注意です。

まずは、相続税の試算を含めて、財産の整理をしてみるところから始めてみましょう。



【編集後記】
昨日はオフ。大雨だったこともあり、自宅で過ごすのを中心に。
午後に買い物に出て、家族でスタバへ。

長男(10)が飲みたがっていたいちごのフラペチーノ。
これは甘すぎず当たりでした。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
スタバ THE 苺 フラペチーノ


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