財産を相続で引き継いだ場合、確定申告が必要になるのでしょうか？
注意点をまとめてみました。
財産を相続したら確定申告？
相続で財産を引き継ぐと、その後に気になることもあります。
よく聞いていただくのが「確定申告は必要でしょうか？」という疑問。
・贈与で財産をもらった
・相続で財産を引き継いだ
などの理由から、口座にお金が振り込まれることがあります。
その入金を給料などと同じ感覚で収入として「（所得税の）確定申告が必要なのでは？」と疑問に思うわけです。
気持ちはわかります。
ただ、結論から言えば、贈与でもらったお金や相続で預金を引き継いでお金が振り込まれた場合は、所得税の確定申告は必要ありません。
相続税がかかる場合は、相続税の申告をしていますし、贈与税で財産をもらった場合には贈与税の申告は必要になります。
ただ、それと所得税の確定申告は別。
確定申告をする必要はないのです。
贈与でもらったお金は収入？（所得税の）確定申告をしないといけないのか。 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
申告をしなくてもいいケース
じゃあ、相続税や贈与税がかからない場合は？
確定申告が必要なのでは？
と考えるかもしれません。
でも、その場合も所得税の確定申告は必要ないです。
年間110万円の贈与なら、贈与税の申告をしなくていいことになっていますし、相続税も基礎控除以下ならかかりません。
財産を引き継いだだけなので、所得税もかからず、確定申告も必要ありません。
でも、相続後に所得税の確定申告が必要になるケースもあります。
所得税の確定申告が必要になるケース
相続で所得税の確定申告が必要になるケースは次のようなケースがあります。
準確定申告
亡くなった方が相続を迎えると、確定申告をすることができません。
その場合、相続人が亡くなった方の最後の確定申告をしなければいけません。
これが準確定申告といわれるものです。
相続の年の1月1日から亡くなった日までの期間について税金を精算する必要があるのです。
期限は相続の日から4ヶ月以内。
税金を払わないといけない場合には、期限が短いので注意しましょう。
準確定申告って何なの？ 相続が発生したら被相続人の所得税の確定申告を | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
準確定申告だけで終わりじゃない！相続税の申告でも使う青色申告決算書 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
賃貸不動産を引き継いだ場合
前述したように引き継いだからといって確定申告をする必要はありません。
ただ、賃貸の不動産を引き継いだ場合には、その後の賃貸収入は相続人の収入になります。これについては、確定申告が必要になります。
気をつけたいのは、亡くなった方が青色申告を選んでいた場合。
青色申告は相続があったからといって引き継がれるものではありません。相続人が青色申告を選んでいない場合には、青色申告の申請をする必要があります。
青色申告には特別控除があり、お金の支払いなく最大で65万円を経費にできるわけですから、税金の負担もかなり変わってきます。
もし、賃貸不動産がある場合には、早めに提出しておきましょう。
被相続人が個人事業者の場合に所得税の青色申告も相続されるのか？ | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
相続財産を売った場合
相続で引き継いだ財産を売ることもあるでしょう。
不動産、株式、クルマなどなど。
その場合、確定申告が必要になります。
その場合、注意したいことがいくつかあります。
1つは相続日から3年10ヶ月以内に相続財産を売った場合、「相続税の取得費加算の特例」を利用できることがあるということ。
相続財産を売ったら所得税から相続税をマイナスできる？「相続税の取得費加算」についてざっくり解説！ | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
詳細の説明はここではしませんが、相続税の一部を所得税の確定申告でマイナスできるので、税金が安くなる可能性があります。
相続税を払った場合で「売ろうかどうしようか？」と考えている財産がある場合は、この特例を検討してみましょう。
3年10ヶ月後に売るか？
4年後に売るか？
が大きな違いになることもあります。
これ以外にも、おひとり様の空き家になった自宅を相続後に売った場合にも特例があります。
売るのを避けたいケースもあります。
「小規模宅地等の特例」を利用している不動産をすぐに売るのはやめましょう。
相続税申告での土地の評価額を大幅に下げることができ、相続税の節税にもなっている「小規模宅地等の特例」。
その利用条件に相続税の申告期限までに売らずに持っていること、となっていることがほとんどです。
申告期限前に売ってしまって、特例を受けることができないとなってしまっては、目も当てられません。
そうならないように売るタイミングには注意しましょう。
このあたりは税理士に相談したほうがいいでしょうね。
【編集後記】
昨日はオフ。朝に長男(10)たちとサッカーの練習。
休みの子もいて4人でしたが、1時間ちょっと楽しめました。
午後は長男(10)と近所で開催だったスポーツ観戦。
前の方がいてちょっと見にくかったですが、距離感近くて楽しめました。
入場ゲートに近い席だったこともあり、何と長男(10)のところに選手が来てくれて…。
かまってくれたのですが、恥ずかしそうにしていました。
まぁ、そうなるでしょうね。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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