「もうすぐ相続がありそうなので相続対策をしたい」というご相談をいただくことがあります。その場合にどんなことに気をつければいいか?
相続税がかかるという前提でまとめてみました。
相続対策をしたい
「もうすぐ相続がありそうなので相続対策をしたい」というご相談をいただくことがあります。
と言っても、相続対策とは今日や明日にできるものではありません。ある程度の期間をかけて少しずつやっていくものです。もちろん、対策としてすぐにできることもあるといえばありますが、限られます。
「相続対策したい」とおっしゃる方にどのくらいの財産があるかを聞いてみると、よくわかっていないということも多いです。
「1億円くらいの財産だと思う」とおっしゃっていても、フタを開けてみたら2億円近くあったなんてこともありえる話です。
財産の評価方法がわからないのである程度のズレはあるとしても、1億円と2億円では大きな違いです。それだけの差異が出るとすれば、どんな財産があるのか?を把握しきれていないからでしょう。
そこで、相続対策をしたいと思ったときに、確認しておきたいことをまとめてみました。
相続対策としてやっておきたいこと
相続対策をするときにどんなことを把握しておけばいいか?やることはいろいろあるでしょうけど、ここでは5つ挙げてみました。
財産はどのくらいある?
相続対策をしたいといっても、「どのくらいの財産があるのか?」の現状がわかっていなければ、対策も何もありません。
財産が少ないのに毎年、子どもや孫に生前贈与をすれば、長生きするためのお金がなくなっていた…なんてことも。
逆にどんな財産がどのくらいあるか?を生前のうちに把握できて、対策できれば相続があっても家族が困らなくてすんだということもあるでしょう。
まずは、現状の財産がどのくらいあるか?を知っておくことが大事です。
とはいえ、いくらで評価すればいいかわからない…なんてことも。特に不動産がある場合です。不動産はざっくり評価で固定資産税評価額×1.1〜1.2倍で計算してみましょう。貸地の場合には評価額が半分近くにまで下がります。
あとは預金や株式なども含めて財産額の合計がいくらになるかです。ざっくりでもいいので計算してみましょう。ざっくりでも財産を把握しないよりはマシです。
まずはどんな財産があるか?を把握できるだけでも前進です。
相続税はかかるか?
次に相続税がかかるかどうか?
相続税を払うことになる相続は限られています。10人の相続うち1人だけですから、多くはないと思われるかもしれません。
ただ、「うちは相続税かからないでしょ」と言っている方でも、フタを開けてみたら相続税がかかるということはよくあるはなしです。
相続税がかかるかのラインは、基礎控除を超えるかどうかです。基礎控除がいくらか?は相続人の人数によって変わるのです。
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば、相続人が3人なら4,800万円(=3000万円+600万円×3人)、1人なら3,600万円(=3000万円+600万円×1人)です。
財産の合計額が基礎控除を超える場合には、相続税がかかると思ったほうがいいでしょうね。相続税がいくらになるかがわからない場合は、基礎控除額をマイナスした財産額の10〜20%を見積もっておくのもいいでしょう。
なお、土地の評価で自宅など特定の土地については、小規模宅地等の特例を使えます。要件をクリアすれば限度面積までは、評価額はの2割になりますから、影響はそれなりに大きいといえます。
ただ、小規模宅地等の特例の要件はややこしいので、そこまで考えるなら、税理士に相談してみたほうがいいでしょう。
生命保険契約のかけ方は?
相続対策で生命保険をかけていることがあります。相続を原因として保険会社から払われる生命保険金で相続税がかかる保険金の場合、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるからです。
預金のままだと額面に相続税がかかります、生命保険金だと非課税枠の範囲で相続税はかからず、超える金額だけに相続税がかかります。
また、相続後には亡くなった方の預金は凍結されるのですが、保険金は相続人の口座に振り込まれるため、凍結することなくすぐに使えるお金になります。
相続後には、医療費を払ったり、葬儀関係だったりで何かとお金の払いが必要になります。そんなとき手元にすぐにお金が入ってくるのは安心できる材料になるでしょう。また、財産を分けにくいときも保険金として入金されたお金をもとに相続人間の話し合いの解決ができることもあります。
非課税枠だけでなく、「払える」の対策にも効果があるのが生命保険金。備えておくのも手でしょう。
ちなみに相続税のかかる保険金で非課税枠を利用できるかけ方は次のような場合です。受取人が相続人でないと非課税枠を利用することができないのです。
・契約者:亡くなった方
・被保険者:亡くなった方
・受取人:相続人
もし、保険の契約をするなら相続対策になる掛けかたかどうか?を確認したほうがいいでしょう。
遺言書はあるか?
財産を整理したうえで、どうやって財産を分けたいかを決めましょう。遺言書があれば亡くなったあとでも声を届けることができるからです。
もし、遺言書がなければ、声を残すためにも遺言書をつくっておきましょう。
遺言書がないことで、思ったように財産を分けてもらえない、もめてしまうというケースもあります。「揉めない」対策をしたいのであれば、遺言書をつくることはやっておきたいことの1つです。
遺言書をつくる場合は、公正証書でつくることをおすすめします。
先代名義の財産がないか?
相続対策のご相談をいただくと、たまに先代名義の財産が残っていることがあります。
もしそういった財産があれば、早めに整理しておきましょう。具体的には、先代の相続人で遺産分割の話し合いをして誰が相続するかを決めます。
そのままにしていると、先代の相続人の誰かがなくなってしまい、すると亡くなった方の家族が相続人になりますから、もの言える方が増えてしまいます。
もし、そのまま放置して相続を迎えると、先代名義の財産のうち法定相続分だけを相続財産に含めることになり、ややこしいことになります。
そうならないように先代名義の財産があれば、すぐに分割の話し合いをして誰が相続したかを決めておきましょう。
余裕資金があるなら生前贈与も検討すればいい
相続対策をしたいと考えて、生前贈与をしたいと考えることもあるでしょう。
気持ちがあるならそれはそれで否定はしません。
ただ、忘れてはいけないのはご自身の生活です。長生きする前提なら医療費や生活費もかかります。
対策を考えすぎて、生前贈与をした結果、生活しにくくなってしまっては元も子もありません。そうならないようにじぶんにとって必要だと思える財産は確保しつつ、残ったお金について生前贈与を考えればいいでしょう。
そのときの年齢によっても対策は変わるものです。60歳なのか、80歳なのか、で20年の差がありますから。20年でできることは多いです。
ということで、相続対策をするときに注意したい点をまとめてみました。相続対策には時間がかかるもの。早いうちから考えて対策するほうがより選択肢を持てることを知っておきましょう。
【編集後記】
昨日はオフ。午前中に近所の体育館の1/3を借りて妻と長男(9)の3人でバトミントンを。この2時間でスマッシュを打ったりかなり上達したなーと。まだまだ負けるつもりはありませんけど。今度は卓球をやるみたいですがラケットがないので買おうかと。その後、妻と韓国食材のお店にヨーグルトを探しにいったのですが、売り切れ。ただ、食材はいいものがあり、また行こうかと。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
ソウルマート
ダイドードリンコ LOVE the EARTH 水