仕事にクルマを利用している場合、クルマの減価償却費は経費になります。このとき買うクルマが新車でなく、中古車や新古車の場合もあるでしょう。
その場合の減価償却の考え方をまとめてみました。
車の減価償却
仕事でクルマを利用する場合、買ったときに全額経費にはなりません。これは聞いたことがあるかもしれません。
クルマの購入額を税金のルールで決められた耐用年数の期間にわたって減価償却をして経費にしていきます。
フリーランスが300万円のクルマを買って仕事に使った場合、（耐用年数が6年で償却方法が定額法なら）6年にわたって全額を経費にします。（1円は残ります）
この耐用年数というのは、新車を買ったときに使うものです。ちなみに年の途中で買った場合には、年間の減価償却費を月割りすることになります。
ただ、コロナ以降は新車を買うにも待ちの時間が長くなりました。数ヶ月入荷されないこともあれば、人気のあるクルマだと1年待ちということもふつうにあります。
そこで中古車や新古車を選ぶこともあるでしょう。わたし自身も独立したときには、銀行からお金を借りて中古のクルマを買っています。
中古車は新車に比べると値段が下がりますし、買いやすいというメリットもあります。
中古車を買ったときにはすでに利用されている期間があるので、耐用年数が短くなります。
中古車を買った場合の耐用年数
中古車を買ったということは、すでに前にそのクルマを利用されている方がいるわけで、その分価値が下がっているわけです。
減価償却をするときにも、その前の持ち主の利用期間を考慮します。
たとえば、2年落ちのクルマを買った場合、減価償却のもとになる耐用年数は次のように計算します。
（耐用年数6年-経過年数2年）+（経過年数2年×20％）＝4.4年→4年（1年未満の月数は切り捨て）
となり、耐用年数を4年として減価償却をすることになります。
300万円の中古車を買った場合には、毎年75万円の減価償却費になります。
期間が短くなった分、減価償却費も増えるわけです。耐用年数を経過したときに1円になるのは、新品でも中古でも同じです。
とはいえ、クルマを買ったから節税できるなどの目的でクルマを買ったとしても正直大きな効果はありません。多くのケースで月割計算をしますから。なので、仕事に必要な交換である場合はともかく、税金を減らすためにクルマを買うことはおすすめしません。
クルマを買うために、手元のお金を多く失ってしまうことになりますので。
新車と新古車では違う？
中古車とは別に新古車といわれるものがあります。
ざっくりいえば、車両登録は済んでいるけど未使用のクルマです。分類としては新車ではなく、中古車。
でも、利用者がいないため中古車にもハマらず、「新古車」といわれています。「未使用車」ともいわれます。
ディーラーの販売店で展示車とされていたり、試乗車として利用されているものが新古車のイメージです。
走行距離が30km、中には5kmほどで、仕様や外装は新車とほとんど変わらないのに、一度は使っているため新車に比べると値段は下がっているのが特徴です。
減価償却はどうか？
新古車の場合、利用者がいないわけですから中古なのか？と思われるかもしれません。
ただ、新品ではない以上、耐用年数としては中古と同様です。利用者がいなくても展示されたり、試乗されたりと利用されていますから。
たとえば、登録から8ヶ月経過して販売された新古車の場合の耐用年数は、月数で計算します。で、最後に12ヶ月で割り算して年ベースになおします。
｛（耐用年数72ヶ月-経過月数8ヶ月）+（経過月数8ヶ月×20％）｝/12月＝5.4年→5年（1年未満切り捨て）
新古車だけでなく、中古車の場合も経過期間が3年10ヶ月のように1年未満の月がある場合がほとんど。その場合も同じです。月数にしてから年になおして耐用年数を出します。この例の新古車だと耐用年数は5年になります。
まぁ、新品の耐用年数で減価償却費を計算しても、毎年の減価償却費が少なくなるわけなので、税務署には怒られませんけど。
ということで、減価償却をするときの耐用年数についてまとめてみました。仕事で中古車や新古車を買われる方に参考にしていただければ、うれしいです。
あ、フリーランスの場合には、仕事に利用する割合しか経費にできませんので、さらに事業割合をかけます。念のため。
【編集後記】
昨日は午後から妻と一緒に行動。壊れてしまったメガネの新調。いろいろなタイプをあててみましたがやはり似合うメガネは限られるかなーと。その後はディーラーでクルマの研究。思ったより時間がかかりました…。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
新しいメガネ
いくつかのクルマ乗車
