経理で「やっちゃいけないことって何かありますか?」という質問をいただくことがあります。個人的にはほとんどないかなと。ただ、やっちゃいけないことがあるとすれば、もっと根本的なことです。
データ削除しても大丈夫
顧問のお客さま、個別コンサルティングなどで経理のやり方をお伝えすると、データの削除に抵抗がある方もいらっしゃいます。
たとえば、ネットバンクから連携したデータについて登録ボタンなどをクリックして経理するわけですが、そりゃ間違えることもあります。
で、いったん経理データを削除するケースもあるわけですが、「経理した取引を削除してしまうと、もうネットバンクからの連携データを取り戻せないのでは?」という声も過去には伺ったことがあります。
ただ、実際は大丈夫です。
freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトの場合、経理データを削除しても、ネットバンクなどのデータ連携の明細を見ると、削除したデータは「対象外」として登録された状態になっています。
「対象外を解除」をクリックすれば、再びネットバンクなどの口座に「未処理」の状態で復活します。
なので、経理データを削除したところでなんとかできますから、怖がらなくても大丈夫です。
また、経理データの削除ではありませんが、「間違ってインポートしたらどうしよう」という声もあります。
これも事前に確認の画面が出ますし、仮に重複してデータをインポートしてしまったところで、インポートした仕訳をまとめて削除することもできます。
というわけで。やっちゃいけないことはほとんどありませんし、ミスがあったとしてもチェックすれば気づけますから何とかできます。
それよりも経理でやってはいけないことは、もっと根幹の部分です。
経理でやっちゃいけないこと
経理でやってはいけないことは、次のようなことです。
・売上を抜く
・売上を役員借入金(個人だと事業主借)に変える
・架空の売上を立てる
・架空の経費をつくる
・在庫を増やして利益をよく見せる
脱税になることや、利益をごまかすようなことはやってはいけません。
一度手をつけたら、罪の意識を常に抱いて生きていかなければいけなくなります。そして、税務署が黙っていないでしょう。悪いことをすればどこかでツケを払う場面がやってきます。
銀行にお金を借りている場合も同様に。粉飾をしているとわかったらもう取引をしたくないと思われるのは間違いないでしょう。
「バレないのでは?」と思われるかもしれませんが、税務署も銀行の目は決算書などを見ればピンときます。
どちらも一度手を付けると抜け出すことはなかなかできないといっていいでしょう。
経理でやってはいけないことがあるとすれば、脱税や粉飾の経理です。
毎月の経理でやっちゃいけないこと
別の視点でやっちゃいけないことがあるとすれば、毎月の経理の精度を求めすぎること。
というと、「何で?」と思われるかもしれません。
もちろん、数字の精度が高いに越したことはありませんし、取引はすべて経理することが必要です。ただ、前月の数字をチェックするときに求めたいのは、精度よりも早さ。
精度を求めると、前月の数字を確認できるのは、翌月の月末頃になるでしょう。でも、数字をもとに判断をする場合、円単位までの精度は必要でしょうか。
わたしはいらないんじゃないかなと。それよりも早さ。執筆日の時点で8月は終わっていませんが、8月の数字はだいたいわかっています。あと1割くらいは経理していないデータがあるかもしれませんが、毎朝ちょっとずつ経理をやっているので、判断材料としての8月の数字はできあがっています。
もちろん、決算や税務申告のときには1円単位まであわせる必要はありますが、毎月の数字をチェックするときには、8割の精度で問題ないでしょう。判断には足りますから。
ということで、せっかくじぶんで経理するなら、いかに早く現状を知ることやいかに効率よく経理するかが大事です。脱税や粉飾はだめですが、経理のやり方は自由です。
前述したように、「データが消えたらどうしよう」と考えすぎると縮こまってしまい、取引1つずつ入力するという世界から抜け出せません。新しいやり方を試すなら、思い切りも必要です。
「このやり方はどうだろう?」と気になったことはいろいろ試してみましょう。
それでも「データが消えたら」という不安があるなら、事前にこれまでの経理データをCSVファイルでダウンロードしておきましょう。そうすれば、いざというときにもとの状態に戻せます。
【編集後記】
昨日は法人の決算など税理士業、RPAの見直しなどを。その後にレンズの調査に。想像以上にサイズが大きかったのでちょっと踏みとどまりました。夜は長男(9)とONO99やUNO FLEXを。どうぶつしょうぎはなかなかリベンジさせてくれず。
【昨日の1日1新】
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