相続対策で生命保険を利用する場合があります。ただ、その生命保険についてはカン違いされていることも多いです。
相談を受けた事例をもとにカン違いを挙げてみました。
相続人以外でも非課税枠が使える?
相続では生命保険を利用する場面があります。
なぜなら生命保険には相続税の非課税枠があるからです。この非課税枠というのは「500万円✕法定相続人の数」。
相続人が3人いる場合は1500万円(=500万円✕3人)、相続で受け取る保険金が1,500万円以下なら相続税は実質的にはかかりません。
ということで、相続人がいれば非課税枠が計算できるわけですが、この非課税枠のよくあるカン違いは、相続人がいれば使えるわけではないというもの。
たとえば、内縁の妻が生命保険金を受け取った場合、その生命保険金には相続税はかかります。ただ、相続人がいたとしても生命保険金の受取人が内縁の妻なら、生命保険金の非課税枠を利用することはできません。
そればかりか相続人以外が生命保険金を受け取ると、たとえ財産の相続はなくても相続税は2割増になりますし、生前に相続対策で贈与をしていても、「持ち戻し」によって過去7年以内の贈与財産を相続財産に上乗せして相続税を計算することになりますので正直オススメはしません。
相続人以外が生命保険を受け取る場合はそのデメリットも考える必要があります。
保険金が振り込まれたものだけ?
相続があると相続人などの受取人は、振り込まれた保険金を確認します。
生命保険には相続税がかかります。相続税がかかる保険金とは、掛金を払う人と被保険者のどちらもが亡くなった方という保険金。
それなら、受け取った保険金を相続税の申告に含めればいい、そう考えがちですが、実際には違います。
被保険者が亡くなった方でなくても、保険料を払っている場合には、相続税の申告に含める必要があるのです。(解約返戻金があるもののみ)
たとえば、被保険者が妻で保険料をかけていたのが亡くなった夫という保険なら、夫が亡くなっても保険金はおりません。妻が被保険者ですから。
保険金にどんな税金がかかるのかは、被保険者と保険料を払っている方が誰かで決まります。
保険契約者(払う人) | 被保険者 | 受取人 | 何の税金がかかる? |
---|---|---|---|
亡くなった人 | 亡くなった人(夫) | 相続人 | 相続税(非課税枠あり) |
子 | 亡くなった人(夫) | 子 | 所得税(一時所得) |
母 | 亡くなった人(夫) | 子 | 贈与税 |
そうなると、、妻が亡くなったときには保険料を払っていた夫がすでにいないわけですから、税金をかけることができません。なので、夫が亡くなったときに相続税がかかることになります。
なので、相続があったときに確認するのは、受け取った保険金だけではないということです。保険証券や預金明細も確認して、被保険者が亡くなった方以外でも保険料を負担していたらチェックです。
生命保険金と退職金の非課税枠はまとめて?
死亡退職金には非課税枠があります。この非課税枠とは「500万円✕法定相続人の数」。
相続人が3人いる場合は1500万円(=500万円✕3人)、相続によって受け取る退職金が1,500万円以下なら相続税は実質的にはかかりません。
…というと、カンのいい方はどこかで聞いたことがある。そう思ったかもしれません。そうです。生命保険金の非課税枠の計算方法です。
計算方法が同じなので、生命保険金と死亡退職金の非課税枠は、あわせて「500万円✕法定相続人の数」までが限度と思われることも多いです。
ただ、実際にはそれぞれに「500万円✕法定相続人の数」だけの非課税枠があります。
つまり
・生命保険金の非課税枠→「500万円✕法定相続人の数」
・死亡退職金の非課税枠→「500万円✕法定相続人の数」
ということです。
なので、「払えるか?」の相続対策を考えるときにもそれぞれの非課税枠を考慮しておきましょう。
ということで、生命保険金によくあるカン違い。参考にしていただければ。
【編集後記】
昨日はオフ。午後から長男(9)と外出してノア観戦。いっしょにカメラで写真を撮って楽しみました。わたしよりも長男(9)のほうがたくさんカメラを持っていたような。帰りに2人で食事して、帰宅した夜にはどうぶつしょうぎとUNO FLIPを。どうぶつしょうぎは初めての敗北…。わたしが強くないのもあるでしょうけど、強くなったなと。すぐにリベンジします。
【昨日の1日1新】
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長男(9)にどうぶつしょうぎで負ける
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