なぜ相続税の税務調査でハンコを空押しするのか?

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相続税の税務調査では、亡くなった方の白い紙にハンコを押すことがあります。
なぜそんなことをするのか?まとめてみました。

目次

相続税の税務調査

相続税の申告は、すべての相続に必要になるわけではありません。100人のうち8人ほどの割合です。

…というと、それほど多くないと感じるかもしれません。

ただ、この割合は全国平均なので、都心部になるともう少し増えます。愛知県なら100人のうち12人、関東圏なら100人のうち15人ってところです。

相続税の申告は亡くなった日から10ヶ月以内。2024年8月13日に相続があった場合には、2025年6月13日が申告期限。それまでに申告書を出すことになります。

で、相続税の申告をしても、まだ続きがあるケースも。
相続税の申告をしたあと、税務署が調査にやってくることがあるのです。いわゆる税務調査。

「申告した相続税の申告書にモレがあるのでは?」と怪しさを感じたときにやってきます。申告した5人のうち1人というのが目安です。

もし、相続税の税務調査が来るとなったときは、何かしらに目をつけていると考えていいでしょう。

税務調査でなにかしらの財産のモレが見つかる確率が86%という高確率がそれを証明しています。

となれば、万が一お呼びでない税務調査が来てもいいように、対策をしておきたいものです。

ハンコ空押しチェックの理由

亡くなった方の自宅で妻など他の家族が住んでいるという前提だとして。

税務調査で税務署がやってくると、自宅にある矛盾をついてきます。

たとえば、洗面所に行ってみたらA証券会社のタオルがあった場合、「はて?A証券の株は財産にあったかな?」というように。

もし、A証券会社と取引があり、財産のもれがあった場合には、追加で相続税を払うことになります。

また、税務調査でモノから事実確認をすることもあります。その1つがはんこ。

「亡くなった方の実印をお借りできますか?」といって実印を手に、白い紙に朱肉につけずにそのままはんこを押します。(朱肉につけずにはんこを押すから「空押し」です。)

白い紙にはんこを押す。で、印影がついたりつかなかったりと…。

これだけ見ると、何のためにやっているかよくわからないかもしれません。
ただ、この「空押し」も実は矛盾を見つけるためにやっていることです。

どういうことか?

もし、朱肉につけずにはんこを押せたとしたら?

最近使っていたということです。

通常、税務調査がくるのは相続から2〜3年近く経ってからですから、亡くなった方のはんこをつかうことは普通に考えるとありません。

ところが印影がついたということは、朱印が蒸発せずに残っていたということです。
「最近に利用することがあったのでは?」という疑いの目を向けられるわけです。

たとえば、贈与契約書があった場合は、「はんこを使って後付けでつくっていないか?」といったように。まさに矛盾をついていくわけです。

はんこの印影を持ち帰る理由

逆にはんこを借りて紙に1つずつ押していき、印影を持ち帰ることもあります。

これは何のためにやっているかというと、名義預金を確認するためです。
名義預金というのは亡くなった方が親族の名義の口座をつくってお金をせっせと移している場合の預金をいいます。

お金を出しているのが亡くなった方なら、たとえ親族名義の預金口座であっても親族の財産ではなく、亡くなった方の財産になるわけです。

ではそれをどうやって確認するか。方法はいろいろありますが、その1つが印影です。

税務調査ではすべてのはんこの印影をとっておき、誰がどのはんこを管理していたかを確認します。

このとき、親族名義の預金について、税務署が銀行に口座開設時の資料を照会したところ、資料に押印されていた印影が亡くなった方が管理していたはんこだとしたら?

名義預金の可能性が高くなるということです。ちなみにはんこの数が多すぎる場合も怪しさは増します。

ということで、亡くなった後にはんこをつかうと、税務調査で思わぬ地雷を踏むこともあり、ヘタなことをしないほうがいいでしょう。今回の例のように税務調査でどんなことをチェックされるかを知っておくと、相続税申告の財産もれの対策にもなります。

ややこしいことをしないで、シンプルに管理しておくのがおすすめです。


【編集後記】
昨日はオフ。夕方の空いている時間に家族でコストコへ。子どもたちのリクエストで食事も。注文したパンとポテトが巨大すぎて…結果夕食買いすぎに。まぁパンは翌日に食べればいいのでなんとか。コストコの食事は当たりはずれあるかな。

【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
コストコ ローストポークサンドイッチ
コストコ ポーチュギーズピーンスープ


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