経営セーフティ共済(倒産防止共済)の加入後の手続きがネットでできるようになって、郵送の必要はなくなりました。(新規加入の場合は必要)
今回、そのネットでの手続きの流れをまとめてみました。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは?
会社が仕事を続けるのに、自社さえ大丈夫なら問題ないか?
そうとも限りません。
たとえば、売上代金が入金される前に、得意先が資金繰りのピンチから倒産してしまうという可能性もゼロではありません。
そうなると、こちらにも入金がされずに大きな影響があります。そのリスクに備える対策の1つが中小企業基盤整備機構の運営する経営セーフティ共済(倒産防止共済)です。
仮に得意先が倒産した場合、経営セーフティ共済(倒産防止共済)に加入していれば、それまでの掛金合計の10倍(最大8,000万円)までお金を借りることができます。
掛金は毎月5000円〜20万円までの範囲で自由に選ぶことができ、最大800万円まで掛金を積み立てることができます。
で、掛金は税金の計算をするのに経費扱いにすることができるので、利益が出ている場合には節税になります。
さらにその掛金は掛け捨てではなく、40ヶ月以上経過すれば全額が戻ってくるのです。(ただし、解約したときには全額が収入扱い)
いざというときの備えをしながら、節税効果もある経営セーフティ共済(倒産防止共済)。これまでは加入だけでなく、掛金変更や前納の手続きをするのにも申請書は紙…。なので、郵送手続きが必要でした。
さらに締切が毎月5日までに必着。手間もかかってめんどくさいのが難点でした。
この経営セーフティ共済(倒産防止共済)の手続きがオンラインでできるようになっています。次からネットでの手続きの流れを解説します。
オンライン手続きの流れ
まずは必要なものを準備しましょう。
- 共済契約者番号(ハガキや契約締結証書に載っています)
- gBizID(事前の登録が必要です。ネットからできます)
gBizIDは事前の登録が必要です。郵送とオンラインがありますが、郵送はめんどくさいのでオンラインでやっておきましょう。
以前は確か紙に印鑑証明をつけて郵送のみだった気がするのですが、現在はgbizIDアプリを使って代表者のマイナンバーカードを認証すればすぐにつくれます。最初からそうやってくれれば…という気にもなりますけどね。
準備ができたらマイナ手続きポータルのログインをクリックします。
画面が切り替わったら、gBizIDにログイン。
スマホに届いたワンタイムパスワードを入力します。(2025年4月よりアプリでの対応のみに変わります。)
ログイン後の画面はとてもシンプルです。加入の場合は左の「加入申込」、掛金変更や前納の場合は「契約保全」をクリックします。
加入申込みの場合は、申込書をつくることはできるのですが、結局プリントして銀行のはんこや郵送手続きが必要です。まぁ手書きすることに比べればマシですけどね。
今回は右の「契約保全」を。「契約保全」…。
いっぽうで掛金月額変更や掛金前納のような手続きは、ネットで完結します。今までの紙の手続きとはおさらば。これはラクです。ということで、該当の手続きをクリックしましょう。
掛金前納の場合には、前納したい月の5日が締め切り。なので8月決算の場合には8月5日までに手続きする必要があります。
紙だと郵送、しかも5日までに到着する必要があり、焦る方もいたでしょう。ネットですから5日に手続きしても間に合います。やはり紙のメリットはないかなと。
で、同意にチェックを入れて「次へ」
掛金前納の入力画面に切り替わります。ここは入力していきましょう。
契約者番号はいちいち覚えていられないので、コピペできるようにNotionなどにメモしておくか、ハガキをスキャンしてDropboxなどクラウドに入れておきましょう。そうすればハガキは捨てても大丈夫です。
ちなみに住所は全角で入力しないとエラーになります。そのわりに契約者番号や郵便番号、電話番号は半角数字でも大丈夫だというヘンテコなしくみです…。
前納する掛金を入力します。掛金月額と納付月数を入力すると、掛金納付額が自動で…出ません。こういうところがイケていません。入力にする必要あるんかな。
あと、月額変更と掛金の前納をいっしょにやる場合は、掛金月額は変更後の金額にすることに注意です。
前納希望年月を選びます。ここは入力するのではなく、選択肢を選べるのでわかりやすいかなと。紙だと手書き、何月にすればいいかよくわからん…となりますからね。選択したら「申出内容を確認する」をクリックします。
内容を確認して問題なければ、「申請」をクリックしましょう。不備があると電話連絡があるので、ミスがないように。
これで終わり。なんだかんだでシンプルになりました。
申請後、控えをダウンロードできます。
これを保管しておきましょう。
別表の添付を忘れるな
経営セーフティ共済(倒産防止共済)。掛金を払いさえすれば経費扱いになるわけではありません。
決算を終えたその後に税務署に出す法人税の申告書の明細を添付する必要があるのです。この枠の一番左に入力があれば大丈夫です。この明細がないと経費扱いにならないので、ここまでしっかりチェックしましょう。
freee申告にも明細はありますが、e-taxでの申告に対応していなくて別途で送る必要があるケースもあるので注意です。
また、テクニック的な話になりますが、経営セーフティ共済(倒産防止共済)の掛金、経理では経費の科目で処理しないで「倒産防止共済掛金」などの科目で資産としておいて、法人税の申告書で経費扱いにすることができます。
かりに保険料などの経費科目で処理すると、決算書の利益剰余金が最大800万円減ってしまうので、銀行から見た決算書の印象も違ってきます。
資産として経理しておくことで、貸借対照表で今までいくらかけているかわかりますし、会社の株価評価するときにも経営セーフティ共済(倒産防止共済)に加入していることに気づけます。
そのあたりの話は、税理士に聞いていただければわかるかと。こちらの記事にもまとめています。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を毎年年払いしたい 特に気をつけてほしいこと3つ | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)明細書を添付していますか? 会計処理はどうしていますか? | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
ということで、経営セーフティ共済(倒産防止共済)のオンライン手続きについてまとめてみました。
参考になればうれしいです。
【編集後記】
昨日はじぶんの月次、請求書発行をしたあとに相続の現地調査、打合せ。相続人の方にも話を伺って方向性を確認しました。夕方にサッカー教室へのお迎え。さすがに終わってからの練習はなしですぐに帰ります。夜は長男(9)とFC24を盛大に負けました。強くなったのはうれしいですが、リベンジします。
【昨日の1日1新】
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