相続税の申告をするとき、金額が大きくなるものに土地などの不動産があります。税理士であるわたしが土地を評価する場合、現地を見るようにしています。
なぜ現地を見るのか?その理由をまとめてみました。
土地を評価するには?
相続税を計算する場合、大きく評価が分かれるものの1つに不動産があります。
預金や保険金、上場株式などは、評価する方法がある意味シンプル。
どの税理士が評価しても、ほとんど評価額が変わることはありません。
ただ、不動産は違います。
税理士が10人いて、全員が同じ評価をするとは限らないのです。
評価のルールは決まっているのですが、「どこまで考えるか?」には違いがあります。
- 机上だけで評価する
- 土地を見に行く
土地を評価するときには路線価をもとに評価するのですが、土地の評価額を減額できるケースがあります。
この減額できるかどうかの判断は現場に行ってみないとわからないことも多いです。
わたしも土地を見にできるだけ現場に行くようにしています。
机上だけだと評価するのに足りないこともあるからです。
机上だけで土地を評価するデメリット
現地までわざわざ見に行かなくても、ネットである程度は土地の情報を調べることができます。
- 現地の写真→GoogleMap
- 道路情報 →市区町村HP
- 地図 →全国地価マップ
- 路線価 →全国地価マップ
- 用途地域 →用途地域マップ
- 図面 →登記情報提供サービス
- 農地情報 →農地ナビ
- 土地の売買事例→土地総合情報システム
などなど。この15年ほどでネットで確認できることはかなり増えてきました。
コロナで外出が規制されたときも、ネットで調べていました。
外出しなかったときにやっていた土地評価のための情報収集術 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
相続税申告の土地評価額のざっくりな調べ方。 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
そんなこともあって、土地の評価を机上だけで終わらせることもできます。
ただ、実際に現場に行ってみないとわからないこともあるのです。
図面のデメリットは、紙(PDF)であるがゆえに平面なところ。
現地に行ってみたら
- 土地が傾いていた
- 異臭がした
- お墓があった
- 道路より高いところに家があった
- 踏切などの騒音があった
みたいなことがあるのです。
10%でも評価減できれば、4,000万円の土地なら400万円の評価が減るわけですから無視できません。
ただ、現地に行かないとこうした事実に気付けないことも多いです。
だからこそ、現地を見たほうがいいという考えです。
わたし自身も土地の評価をする場合、まずは前述した情報をもとに机上で評価をしておき、ある程度の目星をつけた上で現地に行くようにしています。
いきなり現地に行っても、気付けないこともありますので。
「現地を見に行きますか?」
もし、相続税の評価を税理士にお願いする場合、亡くなった方が土地を複数もっていたら質問してみましょう。
「現地を見に行かれますか?」と。
- 見に行くならいい
- 見に行かないからダメ
ということになるとは限りませんが、現地を見ないとわからない情報があるのも事実。
土地の評価減ができることを知っていて、現地で土地の情報を知ろうとしている姿勢は見て取れます。
これに加えて不動産には「小規模宅地等の特例」があります。
自宅の土地、事業用の土地など条件をクリアすれば、330㎡まで土地の評価額を2割にできます。駐車場などの場合には200㎡まで50%。
土地の評価額が減れば、相続税も減ることになります。
相続後だけでなく、生前のうちに評価減ができそうだとわかれば、相続のために準備するお金も変わってきますから、結果的に「払える」の相続対策にもつながります。
といっても、そんなのわからないと思うかも知れません。
コツをお伝えすると、常識で考えてみるということ。
同じ面積、同じカタチの土地で
- 踏切音が30分に1回するA土地
- 何も騒音がないB土地
をどちらも売るとしたら、どう考えても売値は同じにはならないでしょうから。
そう思えたら「土地の評価額、減額できるかも」と考えてみましょう。
土地の評価でわからないことがあれば、税理士に相談してみるのも手です。
【編集後記】
昨日は税理士業、相続の仕事を中心に。午後は写真撮影で外出、そのままカフェでブログなどを。
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