ひとり会社の決算、申告をするまでには経理をまとめておく必要があります。
チェックしておきたいポイントをまとめてみます。
決算月までの取引をすべて入れる
会社の決算をまとめて申告するには、すべての取引が会計ソフトに入っていることが前提です。
注意したいのは、決算月の取引。
仮に2023年5月決算なら、2022年6月から2023年5月までの取引をすべて経理しましょう。
そうしないと、正しい利益が出ません。
請求書を発行したり、もらったタイミングでなく、「取引をしたタイミングが何月か」です。
もし、2023年5月31日に取引して、6月1日以降に請求書を発行したとしても、翌期に支払いの請求書を受け取ったとしても、どちらも取引日での判断です。
決算日までに入金や支払いがなくても、
- 決算後に入金のある売上は「売掛金/売上」
- 決算後に払う経費は「経費/未払金」
として処理しておきましょう。
売上はクラウド会計を利用していれば、請求書からデータ連携されるかもしれませんが、それ以外の売上も忘れないようにしましょう。
売上のもれは税務署に怒られます。
ネット取引ならたいていCSVファイルをダウンロードできるので、それをもとにクラウド会計にインポートすることもできます。
貸借対照表の残高の内訳がわかるか
1年間の取引をすべて経理したら、貸借対照表の残高をチェックしてみましょう。
この貸借対照表の残高があっていることで、経理の精度はグッと高くなります。
預金の残高もあっていないようでは、決算書としても信用できませんので。
freeeなら「預金」の残高は、口座→口座の一覧・登録→タイムラインからモレやミスを把握することができます。
それ以外の貸借対照表の残高も正しいかどうかを1つずつチェックしておきましょう。
残高が正しいかどうかは、次のようなところから判断しましょう。
- それぞれの科目残高の内訳がわかる
- 前払金(前払費用)の残高から今期の経費になる部分を振り替えている
- 来期に提供する予定の売上代金を前受金で処理している
- 仮払金などゼロになるべき科目の残高がゼロになっている(なるべく使わないほうがいい)
- 決算日後に入金される売上代金が売掛金の残高になっている
- 決算日後に払う経費が未払金残高になっている
- 借入金残高が銀行の返済表の残高と一致している
- 来期の決算日までに返済する元本を「1年以内返済長期借入金」に振り替えている
- 消費税の課税事業者なら、消費税の区分があっている
- 固定資産を固定資産台帳に登録してあるか。減価償却しているか。
などなど。
貸借対照表の残高があってから、その後の申告書の作成にすすみます。
もし、売掛金がすでに入金されているのに残高が残っている、マイナス残高になっているなどの場合は、何かしら修正する必要があります。
貸借対照表の残高を合わせているうちに経理処理のモレが見つかることもありますし、過去のミスが見つかるといったことも。
ここはがっつりとやっておきましょう。
処理モレがないかをチェックする
お金の動きが関係しないと、経理を忘れがちです。
- 前払金から経費への振替(前期に前払で処理したもの)
- 前受金から売上への振替
- 在庫の振替
- 固定資産の台帳への登録
クラウド会計とはいえ、判断が必要なところはあります。
全自動ではありません。
たとえば、10万円未満で全額を今期の経費にできるのに、工具器具備品で経理されている場合は、消耗品費にしたほうがいいでしょう。
これは貸借対照表を見れば気づけます。
ただ、固定資産には「消耗品費」で処理していても、法人税の申告書には載せないといけないケースがあります。
(一括償却資産、30万円未満の少額資産など)
freeeの場合には、固定資産台帳への登録しておきましょう。
「30万円未満の少額資産の特例」を利用する場合は「少額償却」、一括償却資産にする場合には「一括償却」を選びます。
モレも多いので、消耗品費の内訳をざっと見渡して、金額を確認しておいたほうがいいでしょうね。
ここは貸借対照表を見ててもわからない部分です。
そこまでチェックできれば、次は税金の申告書をつくります。
決算前の経理のチェック方法をまとめてみました。
経理処理など、気になることがあれば、スポットで税理士に相談するのも手です。
freee申告をじぶんでやる方法はこちらの記事にまとめています。
freee申告。ひとり会社が法人税の申告をじぶんでやる方法。 | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 OFFICIAL BLOG
【編集後記】
昨日は税理士業をしてから、セミナー受講を。妻が紅茶を炭酸水で割ったティーソーダをつくってくれました。組み合わせでけっこう楽しめるものだなと。
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