相続後、銀行は亡くなったことを知ると預金口座を凍結します。
ただ、預金凍結がされるのは、実は相続のときだけではありません。
預金が凍結するもう1つのケース
相続があると、亡くなった方の預金が凍結するというのを聞いたことがあるかもしれません。
預金の凍結を知っている方はけっこう多いという印象です。
預金が凍結されれば、相続手続きを終えるまでは、亡くなった方の口座からお金を引き出すことができなくなります。
その証拠に相続開始の直前にお金を引き出しているケースは多いです。
相続手続きを済ませて預金口座の凍結がされれば、晴れて口座を解約でき、相続人がお金を引き継ぐことができるわけです。
でも、預金口座が凍結するケースは相続だけではありません。
亡くなる以前に認知症になったケース。この場合も預金は凍結されます。
相続と認知症の大きな違い
認知症になるとはどういうことなのでしょうか。
判断がじぶんでできない状態です。
前日にどこに行ったか、何をしたか自覚もない状態です。
世の中、本人の判断、意思表示が前提で取引が決まります。
- 預金の引き出しができない
- 不動産を売る
- 家の大規模なメンテナンス
- 贈与する
といった取引はできないということになります。
でも、ほったらかしにしていればいいかというと、そうもいかないケースもあります。
- 老人ホームに入居するのに一時金が必要
- 家のメンテンスが必要
- 介護費用が必要
- 不動産賃貸をしていれば、その契約など
などなど。
ATMでお金を引き出せばいいと思われるかもしれませんが、大きなお金になると窓口での引き出しが必要になりますし、「認知症になったから」といえば、その段階で預金が凍結されます。
その後、なにかと必要な費用は相続人が立替えないといけなくなる可能性があります。
前述した相続での凍結と認知症での凍結との大きな違いは期間。
相続の場合は、相続後から相続手続きが終わるまで、揉めなければ比較的短い期間です。
これに対して、認知症の場合には、相続までの期間がどのくらいかはわかりません。
3年なのか10年なのか。
長くなる可能性もあります。そうなれば負担も少なくはないでしょう。
自宅を売ればいいといっても、認知症になった本人がもっているなら、売る契約ができません。
65歳以上で認知症になる方が20%近くといわれている現在、何らかの対策も必要になるでしょう。
認知症に備えるには?
認知症になると法定後見制度を利用することになるのですが、管理する人は親族に限らず、裁判所が決めた弁護士や司法書士などになる可能性があります。
また、認知症になった方の財産はすべて管理下となりますし、報告もする必要があり手間もかかります。
認知症へのリスクに備えるには、生前の対策として位置づけたほうがいいでしょう。
対策の1つは、生前贈与。
認知症対策として必要な生前に贈与しておけば、凍結で困ることはありません。
元気なうちであれば「あげます」の意思表示ができますので、贈与も可能です。
ただ、贈与税がかかること、認知症になるかどうかはなんとも言えないのはデメリットでしょう。
それでも、あとでお金が一切引き出せなくなることを考えると検討の価値はあります。
もう1つは家族信託。文字通り、家族間でする信託契約です。
家族信託の契約を相続人の1人と結びます。
信託契約には財産の運用をお願い(委託者)する人、財産を運用する人(受託者)、その運用利益を受け取る人(受益者)と3人が登場します。
で、受託者にお金や自宅などの財産を渡して管理してもらいます。
お金は子どもの名義で信託用の口座を用意し、必要なお金があればそこから払います。
信託契約をするので、契約上、必要なことだけにお金を使うことができます。
で、自宅などの不動産については信託の登記をします。
信託契約しているので、
・家のメンテナンス
・契約
・支払い
といったことも、受託者である子どもがすすめることができます。
というと、「財産をわたしたら贈与になるのでは?」と思われるかもしれません。
委託者(財産を出す人)と受益者(利益を受ける人)が違えば贈与になりますが、同じ人なら贈与にはなりません。
誤解を恐れずにいえば、お金を預けているイメージです。
相続対策、それ以前に認知症になる可能性もあり、そのケースを想定しておくのも損ではないでしょう。
ということで、参考にしていただければ。
【編集後記】
昨日はオフ。午後に長女(14)の塾のZoom説明会を視聴も。そのあとに夕食の準備を妻の指導のもとに。だいこんの味噌汁やピーマンをオーブンで焼いたり、玉子をお好み焼き風に。サッとつくれそうなものを。わたしがあれもこれもやりたがったので、妻の視線がときどき気になりましたけど。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
とある動画
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