クラウド会計には、データ連携ができるという特徴があります。
とはいえ、そのしくみをつくるには工夫も必要です。
データ連携した結果、1つの取引なのに2つデータができてしまうことへの対策をお話します。
クラウド会計でデータ連携
経理をするときにはデータ連携が使えます。
ネットバンク
クレジットカード
電子マネー
Amazon
など。ネット上にあるデータを会計に取り込むことで、イチから仕訳を入力する必要はなくなります。
となれば、経理の負担を減らすために、連携を使っていくというのは1つの道です。
ところがこれにはややこしい問題も。
データ連携していると、1つの取引なのにデータが複数できてしまうということがあるのです。
会計ソフトのデータ連携ならではの問題。
これを解決する策をお話します。
データが2つできる理由
1つの取引なのにデータが2つできるのは、複数のサービスのデータ連携をしているからです。
たとえば、銀行間のお金の移動で考えてみましょう。
A銀行からB銀行にお金を移動したとき、A銀行のネットバンクには、出金データがあります。
いっぽうで、B銀行のネットバンクでは入金データがあるはずです。
それぞれのデータを連携すれば、
A銀行では
??? 100/A銀行 100
B銀行では
B銀行 100/??? 100
ということで行き先はわからないけど、データがあるのは間違いありません。
A銀行もB銀行もネットバンクを連携すれば、1つの取引なのに2つのデータができることになります。
で、それぞれのデータについて、
- A銀行のデータをもとに B銀行 100/A銀行 100
- B銀行のデータをもとに B銀行 100/A銀行 100
とすると2重の仕訳になってしまいます。
もちろん、合計200のお金が動いているはずもなく間違いです。
なんとかして、データを1つにしたいわけです。
ただ、これをA銀行のデータを「仕訳対象外」にするとか、B銀行のデータを「仕訳対象外」にすると判断していると時間も手間もかかります。
次やるときに「あれ?どっちだっけ?」となることもあるかと。
そこでおすすめしたいのが、どちらかのデータを仕訳対象外とするのではなく、どちらのデータも活かすという方法です。
どちらのデータも活かすやり方
では、どうやって両方のデータを活かすか。
まずは、前提を思い出してみましょう。
A銀行では「??? 100/A銀行 100」という出金データがあり、
B銀行では「B銀行 100/??? 100」という入金データがあるという話でした。
で、それぞれの「???」の科目を直接A銀行やB銀行の預金科目にしてしまうから、データが2つできてしまいます。
そこで、「???」のところに別の科目を使います。
両方のデータをつなぐ科目、たとえば「資金移動」などの科目です。(「複合」でもなんでもいいです。)
その結果、
A銀行のデータをもとに「資金移動 100/A銀行 100」
B銀行のデータをもとに「B銀行 100/資金移動 100」
とそれぞれ仕訳すれば、両方の仕訳にある「資金移動」は左と右で残高ゼロになり、結果的に「B銀行 100/A銀行 100」という仕訳が残ります。
毎回判断しなくても、仕訳対象外にするというイレギュラーな操作をしなくても済みます。
こういう仕訳は、データ連携ができるクラウド会計ならではでしょうね。
同様に、Amazonとクレジットカードなどでも、1つの取引で2つのデータができる場面があります。
Amazonの購入データ
クレジットカードの決済データ
そこでも同じように「つなぐ科目」を使うことで両方のデータを活かせます。
ということで。
経理効率化の参考にしていただければ。
【編集後記】
昨日は税理士業を中心に。昨日で長女(13)の習字の習いごとが最終日でした。幼稚園からやっていたから8年近く。本人いわく、やりきったそうです。ちなみに習字は2人とも親を超えていますな。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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