相続があってから半年前後で「相続税申告についてのご案内」という書類が届くことがあります。
この封筒が届くことが何を意味するのか?そのときに考えたいことについてお話します。
相続はあっても相続税があるとは限らない
相続は誰もが一度は経験すること。
亡くなった方の死亡届を出したり、葬式、その後の四十九日。
さらには、財産の名義を変更したり、解約や請求の手続きといったことも必要になります。
相続人にとっては、それなりに負担です。
さらには相続税。
相続税がかかる場合には、相続があった後、10ヶ月以内に申告をしないといけません。
とはいえ、相続のうち、相続税の申告が必要になるのは、全体の8%ほど。
相続人の誰もがやるべきことではないのです。
ともすれば、明らかに相続税がかかるというケースはともかく、そうでないケースは「うちは相続税かからないでしょ」と考える方も多いです。
ただ、そうとも限りません。
不動産がなければ相続税がかからないというわけでもありませんし、貸付金、生命保険契約の権利など、パッと見てわからないものも相続税では財産になるからです。
「相続税申告についてのご案内」が意味すること
相続があってから半年前後すると、税務署から郵送で書類が届くことがあります。
それが「相続税申告についてのご案内」という封筒。
相続があったあと、ある条件に当てはまる家に送られることになっています。
相続税の基礎控除額は3000万円+600万円✕法定相続人の数、仮に相続人が1人とすれば3,600万円。
これを超えそうな財産があると思われている場合には、書類が届きます。
税務署が「この家は相続税がかかるのでは?」と目星をつけているということです。
ただ、
- なぜ、相続があったことが知られているのか?
- なぜ、相続税がかかりそうだとわかるのか?
謎は深まるばかりです。
相続があったことを知られている理由は、市区町村に死亡届を出しているから。
市区町村から税務署に亡くなったことが伝わるのです。
さらに相続税がかかりそうだと疑われるのは、生前の収入状況をずっと過去から把握しているからです。
- 毎年の確定申告
- 源泉徴収票
- 不動産の所有状況
などなど。
すでに税務署からマークされているわけです。
ただ、恐れる必要はありません。
相続税がかかるなら、相続人として申告をすればいいわけですから。
もっとも、税務署から書類が届いたとしても、相続税がかからないケースもあります。
そのときは同封の資料に堂々と回答すればいい話です。
注意したいのは特例を使って税額が出ないケース。
「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額軽減」などの特例を使って税額がゼロになる場合は、申告が必要になります。
事前に予測しておく
税務署から書類が届いてびっくりするのは、突然届くからです。
そこで「あれ?相続税の申告が必要なのかも…」ということを考えるわけです。
このショックをやわらげるには、事前から相続を考えておくことが必要です。
相続があったら、すぐにどんな財産があるかを調べる、どのくらいの評価額かをざっくり確認しておきましょう。
それだけでも違うものです。
もし、じぶんたちでは判断できないということであれば税理士に相談してみましょう。
理想は生前のうちに財産の状況を把握しておき、
- 相続税がかかりそうか?
- 相続税を払うお金があるか?
- もめないように分けることができるか?
というのを検討しておき、家族で共有しておくことです。
間違っても税務署をおそれて財産を隠さないことです。
マークされている以上、下手に隠しても数年後の税務調査でバレますから。
【編集後記】
昨日は午後からセミナー開催。OBSでのちとトラブルがありましたが、すぐにZoomでの共有に切り替えて。その後はセミナー準備などを。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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