贈与税について税負担が高いというのはよく耳にするところです。実際にご質問いただくことも。
贈与の税負担について、考え方をまとめてみました。
贈与税は高い?
相続税の話をするときに、生前贈与になることがあります。
そのときによく出るのが「贈与税って高いんでしょう?」というもの。
確かに税率表を見ると、相続税の税率に比べて、
たとえば、1,000万円超だと相続税は15%、贈与税は40%(45%)となっています。税率だけ見ると高いとは感じるでしょう。
たとえば、300万円の贈与をうけたとすると、(300万円-110万円)×15%-10万円=19万円
と計算します。
ただ、これを実際に高いと感じるかどうかは、状況にもよりますし、それぞれです。
贈与を受けたらどのくらいの税負担があるか、ざっくりの目安の負担を知っておくのがおすすめです。
贈与税の負担はどのくらい?
もし、お金で生前贈与を受けたらどのくらいの負担になるか?表にするとこんな感じです。
直系尊属(祖父母や父母など)から、その年の1月1日において20歳以上の者(子・孫など)への贈与の場合。
それ以外の贈与の場合、
税率表を見ると、200万円では10%の贈与税がかかるイメージですが、実際の負担率は4.5%。
じゃあ、贈与税の負担が10%になるところは、どのくらいの贈与を受けた場合なのかと見てみると、年間500万円の贈与を受けて、だいたい10%というところです。
これは税率表に控除額があることが影響しています。税率だけで見ると高いとは感じるでしょうが。
では、500万円の贈与で48.5万円、税負担率10%が高いかどうか。
仮に相続税の実質的な税負担が13.5%ということであれば、贈与税の10%というのは、高いとも言えません。
実質税率について、配偶者の税額軽減は利用次第で負担が揺れるので考慮外。以下同じです
逆に相続税の実質税率が2%だとすると、贈与税の10%というのは、高いと映るでしょう。
表面の税率だけでなく、実際に計算したり、比較してみることで、印象は変わるものです。
ざっくりとイメージできるように
「いくら贈与するのがいいですか?」と聞かれることもありますが、これも前述したとおりそれぞれです。
もし、相続税とあわせて考えるなら、相続税のシミュレーションはしておきたいところです。
それとあわせて、いくら贈与を受けると、どのくらいの税負担があるのか?というのは、知っておいてもいいかと。
- 110万円以下なら贈与税はゼロ。申告も不要
- 200万円の贈与なら贈与税は9万円(実質税率 約5%)
- 500万円の贈与で48.5万円(直系以外は53万円)の贈与税(実質税率 約10%)
といったところは、ざっくりイメージできるようにしておくと、贈与を考えやすくなります。
もちろん、長生きするためのお金も必要ですし、贈与をすればいいというものでもありません。
節税を考えすぎるとろくなことはないので。
ただ、考えてみることは大事かと。
そのときにまったくわからないよりイメージできるようにしておくと話はしやすいです。
【編集後記】
昨日は資産税の仕事をしてから、オンラインで打合せなどを。夕方に買い物で外出でした。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
とある仕事