ひとくちに株式といっても、いろいろな株式があります。上場会社の株式もあれば、中小企業の株式も同じ株式。
ただ中小企業の株式には、市場がなく「見えない・売れない・配当なし」という特徴があります。
それだけに株式の行く末を考えておきたいものです。
株式にもいろんな株式がある
通常、株式というと上場株式を思い浮かべることでしょう。
株そのものは目に見えません。目にするのは取引報告書や特定口座などの年間取引報告書の記載を目にするくらいです。
それでも、配当を受け取ることもできますし、値上がりしたタイミングで売るということも自由です。
まぁ、値下がる可能性もありますが。
その一方で、同じ株式でも売れない株式もあります。
それが中小企業の株式。
持っていたら配当をもらえるというならまだしも、中小企業で配当をしている会社はなかなかないでしょう。
その点では株主としてのメリットを見い出せません。
じゃあ、値上がりしたら、売れるかといえば、売れません。
「見えない・売れない・配当なし」という特徴のある中小企業の株式ですが、財産としての扱いになります。
売れば税金がかかるし、贈与でもらえば税金がかかります。持ち続けても相続で税金がかかる可能性があります。
売れない株式にも時価はある
中小企業の株主は、その多くが社長とその親族です。
この株式が財産になるというのは、先ほど説明したとおりですが、これは会社に対する影響力を示す議決権に価値をつけているからです。(これも実感しにくいものではありますが)
「見えない・売れない・配当なし」の株式にも時価があって、その株価は実は動いています。
会社を続けるなら、利益を出してお金を増やすというのが必要ですが、この利益がでて決算書がよくなると株価は上がっているイメージです。
人はいつか亡くなるので、株主はどこかで「見えない・売れない・配当なし」と三拍子そろった株式の「これから」を考えないといけません。
ということで。会社を続けていくなら、どこかのタイミングで後継者に株を渡していかないといけません。
売る、あげる、相続。このどれかで渡すことになります。
どれを選ぶかは自由ですが、移転のタイミングを選べるのは、「売る」、「あげる」です。「相続」はいつあるかわかりませんから。
株を売る場合は、買う後継者はお金が必要になります。そのお金をどうやって調達するか。
株を買うお金がいらないのは、あげる。つまり贈与による移転です。
株を手放すことを検討するタイミング
じぶんの会社であれば、じぶんが株主というのが基本です。
ただ、会社を続けていくのであれば、いつかどこかで株を手放していく必要があります。どのくらいかけて手放していくのか。
移転するタイミングを選ぶなら、株価をチェックしておくことはかかせません。そして、そのタイミングとしては決算前に一度チェックしてみるのがおすすめです。
決算前というのは、決算の着地見込みを出すようなタイミングです。
決算前に利益の着地見込みを計算すると思うのですが、そのタイミングで株価も計算してみると、決算前と決算後と比較しつつ移転のタイミングも選びやすくなります。
【編集後記】
昨日は法人のお客様と決算前の打合せ。着地見込みの検討などを。その後にとある手続きで税理士会ビルでした。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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