2020年の路線価が公表されました。
どんな傾向があるのか?ざっくりとまとめてお話します。
路線価は何に使う?
本日、2020年(令和2年分)の路線価が公表されました。
毎年7月1日にその年の路線価が公表されることになっています。
この路線価、なにに使うのか?
例えば、相続税の申告や贈与税の申告をする場合、土地を評価する必要があります。
その土地の評価にあたって、税金の計算上、基準となるルールが決められています。
都市部の場合には、路線価をつかって土地の評価するのです。
具体的には、今年(2020年)に相続があった場合には、本日公表された令和2年(2020年)の路線価を使って土地を評価します。
田舎のほうは路線価評価ではなく、倍率評価といって、固定資産税評価額をもとに評価することになっています。
それゆえに路線価があがれば、土地の評価額も上がり、相続税も増えることになります。
その年に土地になにも手を加えていなくても、土地の見た目が前年と同じでも、値段は上がるわけです。価値が下がるとは限りません。むしろ都市部では上昇の傾向にあります。
気になる土地を路線価チェックしてみよう
気になる土地の路線価をチェックしてみると、土地の値段がわかるのでおすすめです。
路線価図は、国税庁HPから確認することができます。
該当の住所を探して、
チェックしたい土地の前面の道路を見てみましょう。
たとえば、この土地の前方にある路線価は120Eと表示されています。路線価は千円単位なので、この路線価は1㎡あたり12万円ということを意味しています。
土地の地積が200㎡だとすると、ざっくり評価で12万円×200㎡=2,400万円ほどということになります。(正しく評価する場合には、もっと詳細な評価が必要になります。)
道路に値段がついていない
もしお探しの土地の前の道路に値段がついていないということであれば、倍率評価の土地である可能性があります。
その場合、こちらから評価倍率表を確認しましょう。
倍率評価の土地は、(基準年度の)固定資産税評価額×倍率で評価します。
今年もチェック 路線価de振り返り
毎年恒例になりつつある路線価チェック。
私が去年に行った場所近辺の路線価の推移をチェックするというコーナーです。
2019年の路線価の記事はこちらです。
路線価2019年(令和元年)探検隊×Excelグラフ超入門 今回も上昇傾向は止まらない? | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
路線価の推移は?
まずは、毎年の路線価の推移とその横にグラフを出してみました。対象になるのは行った場所に限定していますが、主要な都市はゆるやかながら上昇傾向にあり。
ただ、都心部は5〜6年前と比べると、ぜんぜん緩やかといえません。5年前の路線価の倍近くになっているところもありますから。都心に土地をもっていると、大変です。
去年、夏に東京に行っています。東京はやっぱり路線価が高いのですが、MUJI HOTELのある銀座3丁目と鳩居堂のある銀座5丁目。歩いていける距離ではあるのですが、路線価は果てしなく違います。
MUJI HOTEL GINZA(無印良品のホテル)宿泊レポート 一度でいいから銀座の中心で寝てみたいという方へ | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
銀座周辺の路線価図。同じエリアでどうして後も違うのか?謎です。
ちょうど、銀座3丁目と周辺と名古屋駅ロータリー前がおなじような路線価です。名古屋駅も桜通や柳橋あたりになると路線価はかなり変わってきます。
上昇率はファンチャートでチェック
上昇率を見るには、ファンチャートというグラフを使うのがおすすめです。
一番古い2015年を基準(100%)として、どのくらい伸びているかをグラフで表示したもの。推移とはまた違った動きがわかります。
商品の売れ行きを見るときにも使えるグラフです。
グラフのメリットは『見える化』とイメージで伝わること ファンチャートもおすすめ | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
数字だけ見ててもわからない ファンチャートで伸び率を「見える化」しよう | GO for IT 〜 税理士 植村 豪 Official Blog
土地の評価額にしてみると…
路線価だけでなく、土地の評価額として考えてみると、また印象は変わるものです。
そこで、土地を200㎡と仮定してみた場合の評価額に換算してみました。まぁ、銀座5丁目を200㎡というのは参考までに。
ここでちょっと考えておきたいのが、新型コロナウィルスの影響がないのか?という点です。
これを説明するには、路線価がいつ時点で評価したものか?というのをお話しする必要があります。
路線価は毎年1月1日時点で評価したものということになっているので、つまり新型コロナウィルスは考慮されていないわけです。つまり、路線価として確実に反映されるのは、来年ということになります。(実態に合わないなら、路線価によらない評価を検討することも。)
国税庁の路線価とは別に、都道府県が、不動産鑑定士の調査をもとに毎年7月1日時点の土地の値段を、「基準地標準価格(基準地価)」として9月に公表しています。
この基準値標準価格の公表結果次第で、大幅な下落があれば、地域ごとに割合をかけて、路線価を減額する案もあるとのことです。
調査したところでは、ゆるやかな上昇傾向となっています。(沖縄県の上昇率はすごいのですが、行ったことがなく体感できない…。)
というわけで。以上、現場から特派員、植村がお伝えしました。
【編集後記】
昨日は大雨の中、午後からオンラインセミナー開催。仕事で使っているExcelスキルを中心にお伝えしました。途中、PCトラブルもありましたが、なんとか無事に終わりました。その後の懇親会までご参加ありがとうございました。
【昨日の1日1新】
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