「給料・相続税」というキーワードでこのブログに来ていただいていたようです。
そこで今回は給料と相続税の関係についてお話ししてみます。
会社でも人ごとじゃない! 相続財産
相続がおきるのは、高齢になって現役を引退した後というイメージが強いのですが、常に高齢になってから相続がおきるというものでもありません。
ときには。会社にいるうちに相続がおきるということもあり得ます。
特に多くの中小企業では事業承継がなかなか進まずに、社長が70歳を超えているということもよくある話。
その可能性は決して低くないでしょう。
相続税は個人にかかる税金ではありますが、社長、社員が個人である限り、会社にだって相続の話は関係します。
例えば、会社の株も相続財産。
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上場していないなら誰かに「買ってよ!」と頼んでも、買ってくれる人はいないでしょう。ただ、相続財産にはなります。
会社の業績がよければ、株は高い評価にもなります。売れないのに…。
だからこそ、早めの移転をおすすめしています。
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では、毎月会社からもらっている役員報酬や給料、もし相続がおきたらこの給料は相続財産になるのでしょうか?
亡くなってから支払われる給料は相続財産になる
毎月、会社が支給している役員報酬や給料でも、亡くなった後に支給されるのであれば、相続財産になります。
「何それ??どんな財産?」と思うかもしれません。
これは本来もらえるお金を相続開始日の時点ではまだもらっていないので、「未収入金(未支給給与)」としての相続財産ということになります。
イメージにするとこういうことです。(20日締め25日支払いの給料の場合)
この相続の後に支給日があって、支払われる給料については、相続財産になることもあって、所得税はかからないということになっています。(なので未支給給与の額面が評価額になります。)
ということでもし、相続税がかからない方なら、結果として所得税も相続税もかからないということになりますが、それはそれです。
だから、このパターンで亡くなってから支給される給料については源泉徴収もされません。変な感じがしますが、そういうルールになっています。
(仮に、支給時期が来てから、その後に亡くなったという場合には、所得税の対象になります。源泉徴収は必要ですし、相続財産としての評価額も手取り額になります。まぁ、あまりないと思いますが。)
源泉徴収票はチェックするべし
もし、年の途中で相続があったら会社では最後の年末調整をすることになっているのですが、こういうことを知らないでか実際は年末調整がされないということもあります。
本来は、亡くなって退職したという扱いで年末調整をしてもらい(生命保険の控除証明書とか毎年、会社に提出するような書類を出してから)、源泉徴収票をもらって、(相続があってから)4ヶ月以内に準確定申告をするという流れになります。
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そのときに注意したいのが、もらった源泉徴収票。
最後にもらう役員報酬や給料は、所得税の対象にならないよ、という話をさきほどしました。
となると、その最後の給料金額が源泉徴収票に含まれているとおかしいということになります。
源泉徴収票に最後の給料が含まれている場合、年末調整の対象になって、所得税の対象になっているということを意味しますから、会社に再計算をお願いしましょう。本来払わなくていい税金ですし。
(相続があってから支給される賞与も同様です。)
ということで。相続があってから支払われる給料は相続財産になります。
亡くなった人が会社に勤務していた場合には、未支給の給与がないかを会社に確認するようにしましょう。
【編集後記】
昨日はこもって確定申告の仕事を中心に。夜、21時ころには長男(4)を寝かしつけようとしてそのまま寝ていました。
【昨日の1日1新】
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