フリーランス、個人事業者の方には、じぶんで経理をして確定申告をすることをおすすめしています。
数字を見れるようになることはもちろん、税金のしくみも学べるからです。
「黒を白にする」で経費より不安が増える
経費になるか?ならないか?は税金にいくらかの影響があるものです。
そんなこともあって、無理な経費の積み上げをしたり、どこかからレシートを入手して「バレないでしょ」と経費にしたりなんていうのもよく聞く話です。
この先、税務署にバレるかもしれませんし、バレないのかもしれません。
ただ、黒を白にするというのは、かえって「税務調査で指摘されるんじゃ…」という不安を増やしているだけでしょう。
それよりも、もっと違うところに目を向けてみるべきです。
ちゃんとルールを知って、払うべき税金だけを払うことです。
税金を下げるにはどうすればいい?
税金計算のルールは次のようなものです。
- 青色決算書で売上から必要経費をマイナスして所得を計算
- 所得から所得控除をマイナスして課税所得を計算
- 課税所得に税率をかけて所得税(住民税)を計算
売上はもれなく計上するのが大前提。(年末売上で翌月入金も含めて)
だとすると、必要経費や所得控除をもれなく計上することで、余計な税金を払わなくてすみます。節税ができます。
計上すべきものをもれなく計上しているかどうかを確認しましょう。
必要経費
必要経費には、経費のうちその年に支払ったもの以外にも年末時点では未払いでも年末までに買ったもの、利用したものも含みます。
未払金で処理されているかどうかを確認しましょう。
もし貸借対照表に未払金の残高がない場合、何かしらの経費がモレている可能性は高いです。
電気代や携帯代、カード払いしているものなど、12月以前の分を1月になってから払うものは意外とあります。
フリーランスが確定申告のために年末にやっておきたい貸借対照表の残高チェック | GO for IT
あとは仕事の打合せをしたのに自腹で払っているというケースもありますが、これも会議費になります。
もし、自宅の一部を事務所にしているなら面積で按分するなど合理的に区分すれば、家賃や光熱費などの一部を経費にすることもできます。
フリーランスは仕事の場所を選ばない 自宅を事務所にするなら必要経費にするのを忘れずに | GO for IT
そういったものを忘れずに経費にするべきです。
仕事に関係があるかどうか?それを説明できるかどうか?で経費にするかどうかを判断しましょう。
所得控除
所得控除というのは、社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除など下記の項目にあるもの。
じぶんの環境、家族の状況などによってどの控除が使えるか?というのは違ってきますし、自分が使える控除が見えていないことも多いです。
その結果、
- 医療費控除が使えるのに、使っていない
- 社会保険料控除に国民健康保険を含めていない
- iDeCoに加入して掛金を払ったのに小規模企業共済等掛金控除に含めていなかった
といった適用もれがあります。
特に国民健康保険については、添付書類も不要なため忘れやすい控除の1つです。
もし、その年が赤字なら申告しない…ではなく、来年にその赤字を活かすために確定申告をしておきましょう。赤字は3年間繰り越しができます。
節税をしたければ、レシート1枚で危険な橋をわたるより、こういったことを最大限に考慮するべきでしょう。
ちなみに税務署は「こうしたら得するよ」というのは教えてくれません。
だからこそ、税メリットの多い青色申告にするべきですし、じぶんで申告するなら、確定申告のしくみをある程度学んでおくことが欠かせません。
今後は青色申告がもっと有利になる
今後、青色申告にすることで、そのメリットはさらに増える流れです。
2020年分から青色申告で電子申告をすれば、これまでよりもさらに10万円多く控除を受けることができるようになります。
青色申告特別控除が65万円から55万円になり、基礎控除が38万円から48万円になるけど、電子申告をすれば、青色申告特別控除は48万円のまま。
電子申告にはマイナンバーカードとカードリーダーが必要です
青色申告特別控除にはお金の出金がなく、純粋に節税と呼べるものです。
税金のしくみがわかれば、世の中の動きもわかりやすくなりますし、何をすればいいかもわかってきます。
フリーランスとして、仕事をする以上、利益が出ているか、資金繰りが大丈夫か?ということに合わせて、税金の仕組みも学んでみましょう。
じぶんで計算してみるのは、いいトレーニングになりますし、経理も、確定申告の景色もずいぶん違って見えるはずです。
【編集後記】
昨日は長男(4)の七五三で熱田神宮へ。スーツ姿が新鮮で、本人も気に入っていたようです。ただ写真を撮るのは恥ずかしがってなかなか撮れず。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
長男(4)の七五三