利益とお金が一致しない原因は色々ありますが、その1つに借入金があります。
数字を見るのであれば、この借入金の動きには注目するべきです。
利益と現金は一致しない
利益とお金の動きは一致しない、とはよく言われます。
理由としては、いろいろあるのですが、その大きな理由の1つに「借入金」があります。
というのも、借入金というのは、「お金は出ていくけど、経費にならない」という性質があるからです。
損益計算書だけ見ていても、借入金がいくら減っているか、増えているかはわかりません。
例えば、借入金を返済する場合には、次のような仕訳処理をします。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
借入金 | 1,000 | 預金 | 1,000 |
借入金と預金、どちらも、損益計算書には出てこない科目で、貸借対照表を見ないとその動きがわからないのです。
ということから、利益がいくら出ているか?とともに、お金が増えているか、減っているかも見るべきなのですが、このとき借入金が増えているか?減っているか?にも注目するべきです。
借入金について押さえておきたい3つのポイント
お金の動きに大きな影響を与える借入金。数字を見ることに慣れるためにも、次のような点をチェックしてみましょう。
借入金はいくらあるか?
借入金の残高がいくらあるか?というのはチェックしておきましょう。
具体的には、「1年以内返済長期借入金」、「短期借入金」、「長期借入金」といった科目の残高をチェックします。
毎年、毎月いくら返済しているか?
「毎年いくら返済しているか?」というのは、よくネタになります。
パッと見でわかるようにするためには、「1年以内返済長期借入金」という科目を作って、流動負債に表示しましょう。
この金額が「長期借入金」のうち、1年以内に支払う借入金の元本部分となります。
「1年以内返済長期借入金」と「減価償却費+税引後当期純利益(キャッシュフロー)」の金額を比較してみたりと、数字を見やすくするための工夫は欠かせません。
キャッシュフローはかんたんに言うと、ここでは、年間の借入金の返済に使えるお金をいいます。
何年で返済できるか?
最後に、借入金を何年で返せるか?についてもチェックしておきましょう。
具体的には「債務償還年数」という指標を使います。
コトバはちょっと難しい感じがしますが、ひとまず次の算式で計算してみましょう。
だいたい10年以内にはしておきたいところ。でもこれを超えるケース(例えば15年など)は注意です。
月次決算でお金の動きをチェックする
これを決算書だけでなく、毎月の月次決算でチェックしてみましょう。
借入金については、前述のとおり損益計算書には表示されないのですが、お金の動きを見るためにこまめにチェックすると、お金が増えた減ったのチェックも毎月することができます。
「どうしてお金が増えたのか?」
「どうしてお金が減ったのか?」
おすすめはキャッシュフロー計算書を作ってみることです。
営業でお金が増えたけど、それ以上に借入金の返済でお金が減った、ということであれば、何か手を打つ必要があります。
そういったことに、早めに気づくためにも、やはり毎月チェックすることは欠かせません。
【編集後記】
昨日は相続税と確定申告の仕事を中心に。クラシコ(レアルVSバルサ)を見ましたが、スコア以上に見どころの多い試合で楽しめました。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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