お金を払っていても、それが経費になるとは限りません。
今回は、お金を払ったからといって、すぐに経費にならないものについて見ていきます。
お金を使うことも必要だけど…
お金は仕事をする上では、欠かせないもの。
なくなったら仕事ができなくなりますので、手元にある程度のお金を持っておくべきです。
とはいえ、お金を持ってて使わなければいいというわけでもなく、使うべきところには使う、というのも大事なこと。
お金というのは、持っているだけでなく使って回すことも必要です。
ただ、経費になるからという理由だけでお金を使うというのはあまり賛成できません。
というのも、
- 必要もないものを買うことで、かえってお金は減る
- お金を払ったからといって、必要経費になるとは限らない
といった面があるからです。
お金が出てもすぐに経費になるわけじゃないモノ
利益とお金がずれる原因は、取引をした日とお金を支払う日が違うというのが理由の1つですが、取引した日と経費になるタイミングがずれるのもその理由です。
ここではその例として3つを見てみます。
減価償却資産
PCや車など30万円以上(青色申告の場合)のものを買った場合、全額をその年の経費にすることはできません。
減価償却という方法によって、毎年少しずつ経費にしていきます。
なので、年末近くになってから「買えば経費なるから…」とお金を使っても、経費になる部分はそれほどないわけです。
でも無情にもお金は出て行くことが決まっています。(自己資金でも、借入れだろうと。)
必要なものがあるならともかく、税金を下げたいという理由だけで買うのはオススメしません。
前払金
翌年の5月の会議室の利用料を12月に支払うといったケース。
この場合、実際に会議室の利用料が経費になるのは、会議室を実際に利用する翌年の5月。
実際に利用したタイミングで経費になるわけです。
だから、12月に払っていても、経費になるのはかなり先ということに…。
商品
「まとめて買うと、割引があるから…」
「在庫がたくさんある方が見栄えがいい」
といった理由から商品をまとめて購入するケースを耳にします。
どうせいつか売れるから安く…と、まとめて買いたくなる気持ちは分からなくもないのですが、まとめて買うとなるとそれだけお金も減ります。
一方で売れ残った在庫は経費にならず。商品のまま残ります。
その商品が売上原価(経費)に変わるのは、実際に商品が売れたときです。
お金に変わるのも、売れたとき。
もし、売れなければ、ずーっとお金に変わりません。
「お金→商品→お金」というサイクルでぐるぐる回したいところ、「お金→商品」で止まって「お金」までたどりつかないということ。
「捨てるくらいなら…」と安値で叩くことになったり、廃棄損になる可能性もあります。
すぐに売れるあてがないなら、在庫はあまりたくさん持たない方がいいでしょう。
「お金がない。こんなはずじゃなかった…」とならないように目先のお得感に惑わされないことです。
「経費になるか?」よりもお金の動きをチェックする
経費になるかどうかに目がいきがちですが、節税のために必要がないものまで買うとすると、それだけお金が出ていきます。
かえって税金を精算した方がお金が残るということも多いです。
そして、仕事をしていく上で、お金の動きをチェックすることが欠かせません。
とはいえお金を使う場面もあります。
行動しようと思ったときに、お金がどれだけ出ていくか?入ってくるか?といったことは常にセットで考えるようにしましょう。
一緒に考えてみれば、自分が必要だと感じたところには使っても、節税のために、モノを買おうとは思わなくなるはずです。
例えば、車を12月に買ったところで、経費になるのは年間の減価償却費の1/12だけですが、お金はごっそりと出て行きますので。
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【編集後記】
昨日は朝から外出。電車に乗ったのですが、トラブルで大府駅で停車。ただ、早めには出ていたので時間には間に合い、ホッとしました。
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