クラウド会計を使えば、「速く、正確に、ラクに」経理ができるようになる・・・とは限らない

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「クラウド会計があれば、速くて、正確だし、何よりもラクになる」とはよく耳にしますが、それは使い方が正しければ…の話。

使い方が間違っていれば、かえって大変になることもあるので要注意です。

目次

クラウド会計があればすべて解決?

クラウド会計。

データ連携ができて、仕訳も自動提案してくれるというのは、特に経理をそれほどやったことのない人にとってはメリットに感じることでしょう。

でもそれは経理をやっていて、さらに正しく設定がされていれば…の話。

 

クラウド会計を使って、データ連携をしていたとしても、仕訳登録をしないで未処理のままでは、データが溜まるだけですし、設定や処理が正しくないと結局、修正するのにかえって手間がかかります。

 

クラウド会計さえあれば、すべて解決するか?というと、それはちょっと違うわけです。

補足
以下、マネーフォワードクラウドを例に見ていきます。

クラウド会計でも間違いはある 知っておきたいこんなケース

クラウド会計を使うことでの最大のメリットは、データ連携としてすでにあるデータを経理に活かせること。

ただ、データ連携ができるから大丈夫とすっかり信用してしまうと…、結果として「ま…、間違ってんの??」なんてこともあるわけです。

例えば、こんなケースはよくあります。

預金残高が合わない…なぜ?

預金のデータを連携するので、残高は基本的には合わないなんてことはないはずです。

ところが、現実には残高が合わないということもありえます。

それはこんなことが原因だったりします。

  • データ連携して一度、仕訳として登録されたものを自分で削除してしまった。
  • 連携したデータを「仕事に関係ないものだから…」と(仕訳の)対象外にした。

データ自体は連携されていたのに、そのまま処理を受け入れなかったというケースでは、残高は合わなくなります。

事業に使っている預金のデータであれば、残高を一致させるために、すべて仕訳登録する必要があります。

その上で必要経費でないなら勘定科目を「事業主貸」にすることで対応します。

「対象外」にしちゃった場合の対処方法

参考までに。対象外にしたデータについては、復元ができます。

マネーフォワードクラウドの場合、データ連携→登録済み一覧から明細一覧の「閲覧」ボタンをクリックすると、どのデータが仕訳登録され、または対象外になったかがわかるようになっています。

で、「対象外を解除」をクリックすると、再度未処理状態に戻すことができます。

そもそも最初の設定が間違っている

クラウド会計は、科目を提案してくれます。

ただ、その科目が正しいとは限りません。(特に初めての取引は)

例えば、こんなケースがあります。

本当に正しい??こんな提案

  • ロッカーのレンタル料をモバイルSuicaで決済。提案された科目は「旅費交通費」
  • ふるさと納税のクレジットカード決済、提案された科目は「接待交際費」
  • ドラッグストアで経費になるものを買ったのに、提案された科目は「事業主貸」

といった感じで、自分が想定していたのと違う科目、間違った科目になっていることがあります。

毎月同じ取引先への支払いがある場合、間違って仕訳登録すると、その間違いを学習して、次も同じ科目で連携され、結果として1年終えてみたら経費にならないものが実は経費になっていた、あるいはその逆。

…なんてこともあったりします。

 

クラウドで勘定科目を自動提案してくれるというのは、確かに便利なのですが、正しく設定できていることが前提です。

もっとも、データの摘要などから勘定科目を判断するわけですから、現状では難しい部分もあり、「それくらいのものだ」と割り切って、優れたところを経理に活かすというスタンスの方がいいでしょう。

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修正にもそれなりに手間がかかることを考えると、やはり最初の設定が大事です。

クラウド会計があっても毎月のチェックは必要

クラウド会計を使うことで、じぶんでイチから入力するというものは減ります。

なので、処理は楽になるのですが、その処理の結果が正しいかどうかはまた別の問題です。

だからこそ、毎日や毎月といったタイミングで経理したり、チェックすることは欠かせません。

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クラウド会計を使うなら、できるだけデータ化したほうがいいわけですが、もし、データ連携ができない仕訳があれば、それは別で経理が必要です。

それをやらずに月次の数字を見ても正しい判断はできないでしょう。

 

大事なのは、その処理を処理だけで終わらせずに、できあがった実績の数字を見て、「これからどうする?」に活かすことです。

 

ちなみに。データ連携ができない取引については、イチから入力しないで、インポートするなどやり方は工夫できます。(ちとExcelのテクニックが必要ではありますが…)

インポートとはこういったものです。

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【編集後記】
昨日は法人の決算や月次の業務をこなした後、夕方にお客様と打合せでした。MacのプレビューがあるとPDFの結合がラクで助かります。

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