経理をやり始めると悩ましいのが「科目をどれにするか?」
科目なんてなんでもいいじゃん?と思うかもしれませんが、そうでもありません。「色々困ることもある」という話です。
「勘定科目はどうすればいい?」が悩みのタネ
経理をする上で「どの勘定科目を使うか?」というのは、よく悩みのタネとなります。
実際、声を聞くことも多いです。
この勘定科目、どの科目を使うか?というのは、特に法律で決まっていたりするわけでもありません。
ただ、通常は申告書にあるような科目をベースに決めていきます。
お客様を訪問するのに電車に乗ったら「旅費交通費」、郵送代なら「通信費」という感じです。
ところがこの勘定科目。「経費科目なら間違ってても問題ないんでしょ?」と思われることもしばしば。
「科目を何にしても経費になるんでしょ…?」というのがその理由です。
確かに広告宣伝費でも、会議費でも、消耗品費でも、同じ必要経費。
だから、税金を計算することだけ考えれば、どの科目にしたところで変わらないということになります。
ただ、これはやったらダメなやつです。
「感情」科目になると数字が見にくくなる問題
勘定科目が違うと、どんな問題があるのか?
これを考える前にまずは経理をする目的を整理しておきましょう。
「経理をするというのはなぜか?」といえば、税金の計算だけが目的ではないはずです。
じぶんの仕事について、毎月、毎年の数字を見るため。
そして「数字を見る」ということについて、「比較する」というのは欠かせません。
もし「科目はなんでもいいでしょ」となると、結果的に数字を比較して見ることができなくなってしまいます。
実際、1ヶ月とか、1年だけの数字では、見えてこないことが多いです。
実際に例で確認してみます。セミナー参加のための交通費はなんの科目にするか?です。
- 1年目:「セミナーに参加する交通費は旅費交通費だな」
- 2年目:「よく考えると、東京のセミナーに参加するための交通費も含めて研修にかかったお金。だからまとめて研修費にしよう。」
- 3年目:「やっぱ、旅費交通費が落ち着くわー。」
いろんな考え方があり、「どちらがいいか?」というのはひとまず置いておき…。
こんな感じで毎年、あるいは毎月コロコロ変えていては、前月や前年の実績数字と比較するどころか、数字がブレブレで、かえって困惑することになります。
毎月や毎年で数字がガタガタになると、数字は一気に読みにくくもなります。
当然、判断の材料ともならず。
経費は毎年、あるいは毎月できるだけならす(平準化)するのがポイントです。
そういう意味でも、「勘定科目」が「感情科目」となってしまわないように。
科目を一度決めたら、その科目を使い続けるべきです。
(年間の実績が数千円など、かなり少額であれば、わざわざ科目をわける必要もなく、どこか別の科目にまとめた方がいい、などバランス感からの判断も必要でしょう。)
じぶんで科目をつくってもいい
勘定科目は会計ソフトで標準で用意されていますが、必ずしもこれにこだわる必要もありません。
その支出に適当な科目がなければ、じぶんでつくれば大丈夫です。
税金を計算するときの特殊なもの(会社だと交際費や租税公課、寄附金など)はそのまま科目を使う、それにあった科目をつくるなどした方がいいでしょう。
ただ、前述したように一度使うことにしたら、毎年(毎期)継続して使うことは変わりません。
わたしの場合でいうと、一例として次のような科目を継続して使っています。
- セミナー原価 → セミナー開催にかかった経費
- IT投資費用 → PC買ったり、DropboxやEvernoteの年間利用料など
- ブログ運営費 → ドメイン、サーバー利用料など
で、決算書に載せるときには、決算書用の適当な科目にまとめています。
会計ソフトで、経理するときの科目と決算書用の科目をそれぞれ設定することができます。
じぶんで数字を見てパッとわかるものでないと意味がありません。
もちろん、誰かとキッチリあわせる必要もありません。
逆に使わない方がいいのは「雑費」。
適当な科目がないと、ついつい雑費を使ってしまいがちですが、しばらくすると、もはや「雑」とはいえないほど、巨大化します。
「他の科目より大きいこの雑費の中身はなに?」というようになります。
当然、比較もしにくいわけです。
そんなこともあり、「雑費」は使わないのがおすすめです。
まとめると。勘定科目については、そのときのあいまいな感情に流されず、
- 自分が見てわかりやすい科目を使う
- 一度決めたら継続する
というのが大事です。さらに、金額の小さな科目なら、適当な科目にまとめるなどのバランス感も大事かと。
【編集後記】
昨日は会社の決算や確定申告などを。最近、子どもたちとキャプテン翼のアニメを見ています。長男(3)のお気に入りは日向と次藤。パワー系かぁ。しかし、改めて考えると、中学生のとき相当な強敵だった次藤が、成長とともにだんだん地味なキャラになっていくのはファンとして気になるところです。
【昨日の1日1新】
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