フリーランスにありがちな青色申告に対する誤解。
いくつかある中から、よく聞くものについて取り上げてみました。
ウワサがウワサを呼ぶ? 青色申告の都市伝説ですが…
「これから独立したいんだけど、青色申告にした方がいいの??」
青色申告にすると色々と大変だ、という話…あるようです。
私も聞いたことありますし…。
ただ、私個人の意見を言わせていただけるなら、
独立するなら、ズバリ青色申告の一択だということ。
なぜなら、青色申告には独立する方、フリーランスにとってたくさんのメリットがあるから。
例えば、お金を払わないで65万円(または10万円)を経費にできる「青色申告特別控除」。
青色申告特別控除は平成32年分より65万円→55万円に変更される予定ですが、電子申告(e-tax)を行う場合には、青色申告特別控除額は従来通り65万円です。
あるいは、その年が赤字だったら、その赤字を翌年以降3年間の利益と相殺できる(「純損失の繰越控除」)。
はたまた、30万円未満の減価償却資産を買ったら、減価償却するのでなく、全額をその年の経費にできる(年300万円まで)といったルールも。
一緒に生活している家族に給料を払うこともできるなど、白色申告にはないおトクなルールがたくさんあるのも青色申告の特徴です。
逆に言うと、白色申告ならそういったメリットはほぼないということでもあります。
青色申告に対する3つの大きな誤解とは?
青色申告については、誤解も色々あるようなので、この辺りで一度整理をしておきたいと思います。
私がこれまでによく聞いたのは、こんな声です。
- 青色申告って経理がすごい大変そう
- 青色申告にすると税務署が来るんでしょ?
- 今年は赤字だし、青色申告にしても大変なだけだから。まぁ、儲かったら考えようかな?
誤解① 青色申告って経理がすごく大変そう
青色申告にすると、白色申告に比べて経理がすごく大変になるいうイメージがあるようです。
結論から言えば、しくみをつくって日々少しずつやっていれば、実は言うほど大変じゃありません。
大変だと感じるのは、年明けにまとめて処理するから、と言う話も。(溜めて処理するなら私もやりたくなくなります。)
逆に、白色申告なら楽なのか?といえば、手間は青色申告とそれほど変わらない。それなりにかかります。
もちろん経理はする必要があるわけですが、青色申告には、青色申告特別控除額(65万円)があり、これを所得からマイナスすることができます。
お金の支払いなく税金が安くなるのであれば、これをやらないという話はないでしょう。
例えば、税率20%の方ならば、青色申告にすることで年間で13万円(65万円×20%)の税金が安くなります。
もちろん、慣れるのに時間も必要ですし、「科目はどうする?」「どうやって経理すればいいんだ?」と悩みはありますが、日々経理をやっていればだんだん慣れていきます。
ルールもあるのですが、フリーランスや個人事業者として仕事をするなら知っておいて損はない、といったことばかりです。
誤解② 青色申告にすると税務署が来るんでしょ?
どこからでてきた話なのかわかりませんが、私も過去聞いたことがあります。それも複数人に…。
というものの、青色申告にしたら税務署がすぐにきたという話、私は聞いたことがありません。
少なくとも私のお客様では1件もありません。
もし、青色申告にしてから税務署が来るのだとしたら、それは青色申告にしたからくるわけではなく、別の理由によるものでしょう。
もっとも、白色申告にしていれば、税務署がこないなんて話も、同様に聞いたことありません。
税務調査が来るのは、もっと別の理由です。
売上ごまかしているんじゃないか?とか、税金払ってないんじゃないか?とか疑わしいものに狙いをつけてきます。税務署の人たちは。
誤解③ 今年は赤字だし、青色申告にしても大変なだけ。まぁ、儲かったら考えようかな?
「青色申告って利益がでていないと節税と言われてもあまり関係ない、だから申告もしなくても…。」という方も一定数いらっしゃいます。
ただ、青色申告にしていると、その年、赤字だったとしても、来年以降3年間の利益(所得といいます)と相殺できるというルールがあります。
今年が赤字でも翌年から3年間の利益(所得)と相殺できるわけですから、次につなげるといった意味でも、青色申告のメリットはあるわけです。
ただ、赤字がでた年の確定申告を確定申告期限までにすることが必要です。
そんなわけで後から気づいても手遅れ…、ということに。
だから、赤字でも青色申告の効果はあります。
言うまでもありませんが、白色申告なら赤字が出ても、その赤字を翌年に繰越すなんてことはできません。
念のため。
実はもう1つある 青色申告にするメリット
個人的な意見ではありますが。
青色申告にすることでメリットがもう1つあるとすれば、それは経理を学べるという点です。
実は白色申告には、青色申告に必要な「貸借対照表」をつくることが求められていません。
(今回の論点から外していますが、)青色申告特別控除 10万円の場合には、確定申告書への貸借対照表の添付は不要です。
それだけに白色申告であれば、収入か必要経費かということだけで、資産なのか、負債なのか、といったことはそもそも議論にも、疑問にもなりません。
とは言っても、フリーランスや個人事業主として仕事をしていく、さらに将来は会社にする(法人成り)可能性があるなら、貸借対照表と損益計算書がどんなものか、そのつながりを学んでおくことは結構、大事なことだったりします。
それからもう1つ。
途中から青色申告にして、そこから貸借対照表をつくるより、独立した最初の年に青色申告にして貸借対照表をつくっておいたほうがはるかに楽です。
また、経理をして終わりでなく、そのあとに数字をチェックするという点で考えてみても、
- 前年と比較してみる
- 前月と比較してみる
- 3年間、5年間、10年間などでの推移を見る
- 勘定科目ごとの実績を月単位、年単位で比較してみる
といった見方をすることで見えてくることも多いです。
フリーランス・個人事業主であれば、経理を税金計算のためだけで終わらせない、その数字を使って「これからどうする?」を考えるのにも役立てたいものです。
現状はどうなのか?、問題点はどこなのか?ということのを教えてくれるのもまた数字。
ということであれば、経理をする、数字を見るといったことを体感して慣れるためにも青色申告にするべき、という考え方です。
ストック(残高)で自分の財産を管理する、評価するという考えは、貸借対照表を学んでみることが近道だったりします。(相続などでも同じ考え方です)
ということで、最後に青色申告にするために必要な「青色申告承認申請書」提出期限について触れておきます。
青色申告にするには、青色申告承認申請書の提出が必要になります。提出期限は以下のとおりです。
- 原則は青色申告をしようとする年の3月15日まで
- その年の1月16日以後、新たに仕事を始めた場合には、仕事を始めた日から2ヶ月以内
【編集後記】
昨日はオフ。長女(9)の水泳の練習ということで子どもたちとプールへ。長男(3)も流れるプールが気に入ったようでキャッキャ笑っていました。で、私もプールでちょっと泳ぎつつ、楽しめました。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
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