相続税の申告をするときには、財産のもれがないようにしたいものです。
もれやすいものの1つが現金や預貯金です。
相続財産からモレることが多い預金
相続税の申告をしても、そのまま終わるとは限りません。
だいたい1〜2年を目安に税務調査があるケースも。
その場合、税務署は相続財産に「漏れがあるんじゃないか?」という疑いを持ってやってきます。
その漏れが一番多いのが現預金。
国税庁HP「平成28事務年度における相続税の調査の状況について」より
なかでも多いのは名義預金。名義預金というのは親族名義の通帳だけど、実質的には「亡くなった人の預金でしょ?」というものです。
預金は土地の評価と違って、評価する人によって金額が変わるというのもではありません。
それだけに、モレなく拾えるかどうかが大事になってきます。
取引金融機関はこうして探す
預貯金のもれを減らすには、まずはきっちりと口座を見つけることです。
主には次の方法で探しましょう。
①通帳やキャッシュカードを探す
まずは自宅のタンスなどにしまってある通帳、キャッシュカードを探してみましょう。
その金融機関のほとんどは、直前まで取引があったはずです。
でも中にはもう付き合いがない金融機関の通帳を保管しているケースもあります。
カレンダーがあるけど、通帳がないという場合も含めて、口座がないかを確認して、残高証明書をもらっておきましょう。
②ネット銀行の口座があるかも?
最近はネット銀行で取引するケースもあります。
ただ、通帳などは現物でないので、実際のところなかなかわかりにくいです。
- PCやスマホのお気に入りにネット銀行のリンクがないか確認
- メールボックスにネット銀行からの手続き完了メールなどがないか
といったところは確認しておきましょう。
もしIDやパスワードがわからない場合は、「口座があるか?」「残高があるか?」を問い合わせ窓口に確認してみるべきです。
③もしかしたら?? 押さえておきたいこんなところ
預金のもれがあるかどうかがわかりにくいのは、亡くなった方が1人で暮らしていた場合など。
例えば、妻がその前に亡くなっていて、子どももいないようなケース。
通帳がキッチリ保管されていればいいのですが、事情に詳しい家族がそばにいたわけでもないと、ハッキリわかりません。
- 昔、単身赴任していたときの赴任先
- 近隣の金融機関だけど、取引のわかる資料が見つからない
その場合、間違いなく取引がないと言えなければ、手間ですが口座があるかどうかだけの照会をかけておくというのも1つです。
私も過去、そういう確認をしたパターンがありました。
④どうしてもわからなければ奥の手
そこまで確認しても、もれてしまうこともあるかもしれません。
その場合には、あえて税務調査で見つけてもらいましょう。
もちろん、追加で税金を払うことにはなるわけですが、わからないものは仕方ない。
でも、仮に税金を払っても、預金は残りますし、そもそも見つけられなかった財産を見つけてもらえたわけですから。
むしろ、「よく見つけてくれた」と言えるのではないでしょうか。
名義預金の検証なくして申告もれは消えず
亡くなった方の口座を見つけることができたとしても、最終的には名義預金を確認しないことには安心できません。
相続税では名義に関係なく、実質的に誰がもっている預金か?で判断することになっています。
それだけに家族名義の預金があっても、
- 家族の方が自分で働いて貯めたお金?
- 他の親族から相続でもらったお金?
- 他の親族から贈与でもらったお金?
のどれかなのか?
どれにも該当しないなら、名義預金の可能性があります。
親族名義の通帳まで調べるのも手間ですし、気が乗らない部分もあるでしょうが、ここまでやって初めて相続財産にモレがないとも言えます。
結果的にあとでモメる原因にならないよう、モレがあったということで余分な税金を払わないようにしたいものです。
【編集後記】
昨日は法人の決算処理など。今月末は出かける予定があるのでちょっと早めに終わらせようかと。とりあえず今日はフェルナンド・トーレスのJリーグ入りにびっくりです。ウワサはあったけど本当に来るとは。
【W杯ひとりごと】→期間限定・ネタバレなし
残すところあと4試合。しっかり楽しんでおこうかと思います。明日の早朝のフランスVSベルギーが事実上の決勝戦ですから、これは見逃せません。こういうとき早起きしていると助かります。(笑)
【昨日の1日1新】
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