本という1つの成果物。そこに至るまでには、実にさまざまな紆余曲折があります。
わたし自身が体験した半年間の執筆について、体験したこと、その流れをざっくりとまとめてみました。
執筆しながら感じた「これはネタにしないと…」
先日、告知させていただいたとおり、共著で執筆させて頂いた本「十人十色の『ひとり税理士』という生き方」が発売されました。
実際に執筆のお話をいただいたのは2017年の10月。執筆期間はそこから半年以上に及びました。
そして、この仕事をやらせてもらっているうちに決めていたのは、「これはブログネタにしないと…」いうこと。
というのも、書いた原稿、最終的には本に載せることができたものの、その半年で自分自身、これまでにない経験ができたこと。
ネタにしないともったい無い、そう思えたからです。
執筆の仕事の流れ〜なんども何度も見直しが必要
本については、以前ネタにしています。
今回はその期間にどんなことをやったのかをざっくりと追っていきます。
なお、それぞれの合間には、井ノ上さんと編集者さんでの綿密な打ち合わせが入っています。
書くことに専念できる環境をつくっていただけたことは、本当にありがたいことです。
2017/10/6 企画案をいただく
最初の企画案をいただいたのは、2017年の10月。
どんなことを書いたらいいのか?という具体的な内容を提示していただきました。
もちろん、どんなスケジュールになっているかも。
最初の企画が一番大変なはずで、おかげで書くことに専念することができたわけです。
書く分量としては、ざっくり14,000字で20ページ。これをWordで書いていきます。
20ページ前後でもそれなりに大変でした。「1冊を1人で書く」、今にして思えばすごいことです。
ブログでも2000字くらいは書いているので、そんなに多くもないかなとも思っていましたが、これが大間違い。
ここからブログと執筆の違いを思い知らされることになります。
例えば、書き方にルールがあるわけです。「です・ます調」だったり、頻出用語は統一させるとかいろいろ。
ブログはある程度、思ったようにかけばいいのですが、執筆はそうもいきません。
井ノ上さんからも10人に「何か疑問があれば投げて」とサポートもいただいていました。
最初の原稿を出したのは11/20。
もちろん、本のことは口外できず。「執筆」というワードはブログに書いてもいいということになっていました。
ちなみにわたしはブログの編集後記に、執筆をした日は、「今日は資料作成」と、まったく意味不明のワードを書いていました。
資料作成って…。
2017/12/27 ゲラ到着
ゲラというのは、本のような体裁の原稿です。PDFファイルです。
前回、提出した原稿をもとに編集者さんに添削をしていただきます。
プロの目です。このとき、どれだけ修正されてくるんだろ??とドキドキしていました。
ただ、全体としては、届いてみると思ったほどのダメ出しはなかったのですが、プロフィールには、
- もっと心情的な揺れや変化を入れて欲しい
- 受験の話、多すぎじゃない?
といったご意見もいただきました。(実際はもう少し丁寧な言い方です。)
さすがにプロの目です。なかなかバッサリと行かれました。
心情的な揺れがない、で思いついたのはウォーズマン。
ファイティングコンピュータと同じ括りというのは、ある意味、光栄ですが、書き手としては何ともいただけません。汗
ブログでのさらなる修行を誓うのでした。
2018/1/16 ゲラを修正して再提出
戻ってきたゲラと修正点を再度確認。
構成の見直しもあります。本をつくっていく段階で、いかに読みやすい本にするかを考えると、何度もの見直しはあって当り前の世界です。
全体的な構成の見直しをしていただいた上で、またそこに合うような文章を書いていきます。
ここでわたしが考えたのは、編集者さんにアドバイスしていただいた、
というワード。
これがわたしの中で、
もっと心情的な揺れや変化を入れて → もっと感情的に書いた方がいい
という解釈となり、プロフィールだけでなく、すべての内容について、感情面を前面に出した書き方に変えてみたのです。
(後述しますが、これがあとで大きな間違いだったと気づきます。)
ちなみにゲラチェックはiPadを使って、UPAD+Apple Pencilでチェックします。
追加や訂正があれば、随時その都度Apple PencilでPDFファイルに書き込んでいきました。
原稿については、2月や3月にやることがあることも想定されていたので、確定申告の仕事などは、ある程度前倒しで対処し、来たる執筆の仕事に備えていました。
2018/2/22 2回目のゲラ到着 → 2018/3/5 再提出
2回目のゲラが編集者の方から届きました。
わたしのゲラにも、ペンでチェックをしっかり入れていただいています。
文脈がおかしいところ。意味がわからないところなど。
もちろん、こちらで書いている内容の意図が変わっていないかなども確認します。
ブログを毎日書いていても、なかなかこれだけチェックしてもらえる機会はありません。
ただ、わたしにはそれよりももっと大きな問題が待っていました。
全体的に最初の書き方の方がよかったです。
「ガーン!」と後ろから殴られたような感じでした。多少よくなったんじゃない?って思っていたので。
前述のとおり、「感情を入れた方がいい」というのを、勝手に拡大解釈して、全体的にかなり感情的に書き直していました。
ところが、全体的にそれを求められていたわけではありませんでした。
結果として、自分の勝手な解釈で、軽い、チャラくなった(チャラいとは言われていませんが)、他の方とのバランスを欠くといった印象になってしまったのでしょう。
今回は、修正期間も短い中で、仕上げていく必要がありました。
編集者さんと相談した結果、1回目をベースに2回目に追加した内容をプラスするようにしました。iPadを使って狭い行間に書くには、訂正する箇所が多すぎることから、今回は紙でチェックして、あとでファイル化することに。
そして3/5に再提出しました。
プロの目線はやっぱり勉強になる。そう思った次第です。
余談ですが、このころはちょうど確定申告の時期ですが、わたしはというと、この頃は結構、執筆中心。
(もちろん、通常の仕事もしながらですが)
前述の理由からここが一番大変でした。提出期限の前の土日(3/3〜3/4)は、写真のような原稿とともに朝から夕方まで、スタバにカンズメ状態。
今ならマンガ家や作家の方の気持ちがよくわかるってものです。
3/29 3回目ゲラチェック → 4/9提出
この頃になってくると、だいぶまとまっているのですが、さらにいいものにするために妥協は許されません。
構成、文章、漢字の使い方といったところから、内容の不足などまで再度チェックです。
もちろん、こちらで書いている文章の内容が文章の校正によって、意味が変わってしまっていないか、そんなところもチェックしておく必要があります。
4/24 最終チェック → 5/2 確定原稿の確認
この頃になっても、減ってはいるものの、まだ調整する場所があるものです。
最終的にこの部分を頂いたゲラからチェックして、ようやく最終となりました。
長かった執筆の仕事も、とりあえずここで一段落です。
結果がすべてだけど過程も大事
といった感じで半年以上かけて、執筆の仕事をさせていただきました。
結果(本)がすべてではあるのでしょうが、そこに行くまでの過程も大事です。
特にネタになるような体験もが数多くありますし、実際、最終形に至るまでに訂正、前述のような失敗もあったわけです。
そんな過程があって、今回の原稿です。
この内容がこれから本を読んでいただく方にとって参考になれば、うれしいです。
【編集後記】
昨日は1日オフ。長女(9)の小学校の運動会へ。いつ見ても感動の連続です。「1年前に比べるとやっぱり成長もしているなぁ」と感じることができるのもうれしいポイントです。
【昨日の1日1新】
※「1日1新」→詳細はコチラ
長男(3)と長女(8)の運動会のプログラムに参加