意外と知られていない現実、それは株が財産になるということ。
目に見えないから無理もありません。
中小企業の株式が財産になる!?
相続税や贈与税でもお金に変えられる財産は、相続財産になるとされています。
不動産や上場している会社の株式、預金などがあります。
ただ、実は売れないものでも、財産になるものがあります。
それは中小企業の株式。
基本、目に見えないものですし、株主として名前が載っているだけで、正直持っていても…。
最近は、中小企業で配当金をもらえるケースもあまりありません。
上場企業とは違い、中小企業は資金を市場から集められるわけでもありません。
貸借対照表を強くするなら当然のことでしょう。
でも、売るための市場がない、つまり、売れないこの中小企業の株式が、相続税の世界では財産として認識されるからやっかいなのです。
業績がいい会社ほど価値が高くなりますし、値段も変わります。
社長の相続があれば、中小企業の株式の評価額が持っている株数によっては、何千万円にもなることだってあります。
売れないのにです。
そして基本、目に見えないのに…です。
以下、情報は最低限とし、難しい話はできるだけ省略しています。
後継者に移していく
じゃあ、この中小企業の株式、どうしたらいいのでしょうか?
中小企業の場合、多くの株を社長が持っているケースがほとんど。
そのまま持っていては、相続財産にもなります。
会社の後継者が決まっているのであれば、経営権の引き継ぎとして後継者に移していくことになります。
「売れないものを移してどうするんだ」と思うかもしれません。
でも、株式会社であれば、会社の重要な決定は株主総会でされることになっています。
社長の選任や解任なんかも。
だから中小企業の場合は経営する人がたくさん持つべきです。
そんなわけで、売れないんですが、価値があるものとされています。
会社の株主を分散させない
不動産と同じように、株式も他人に渡すと後々厄介なことになります。
中小企業の株式の値段は、株主が誰なのかで値段が変わるという性質があります。
社長を始めとする株主グループと、他人である役員などが持っている株では、評価額が違うんです。
中小企業は上場していないので、売価もわからず、相続税のルールで1株いくらになるかを決めています。
例えば、社長一家の株は、評価額は1株100,000円、でも他人が持っているものは評価額が1株250円といった感じです。
なぜ、こんなことになるかといえば、他人が持っている株数は通常は少数。
そうであれば、配当金をもらうくらいしかメリットがないからです。
一方で、社長一家であれば、株もたくさん持っているから、株主総会などの決議で会社を動かすこともできます。
そのため、相続税や贈与税の財産として、評価額が大きく違ってしまうのです。
「この金額自体、どうなんだ?」という話もあり、それには私も大いに同意します。
ただ、残念ながらそういうルールなのです。
じゃあ、他人(役員など)に売っておけば、社長としては相続税対策になるんじゃないの?と思うかもしれません。
税金だけ考えれば、同じ株式なのに、なぜか他人なら評価額が低くなるわけですから。
でも、株を他人に渡すと、今度株を集めたいと思ったときには大変。
社長やその親族が買い取ることにならば、最初に払ってもらった金額よりも高い値段で買うことになります。
値段交渉で釣り上げられることだってあるかもしれません。交渉が必要です。疲れます…。(笑)
「じゃあ、買わないよ。」と言いたいところですが、でも上場企業と違って、経営権を握るためには、経営者あるいは前述のように後継者が集中して株をもつことが重要です。
だから、なかなか「そうだね。」とはならないことがほとんどです。
さらに経営にまったくタッチしない親族に渡すのもオススメしません。こちらは経営の観点から。細かく書きませんが…。
株式を分散させるべきでないというのは、そういった理由からです。
株式会社を経営しているのであれば、どこかで考えることになる問題。
そういった側面があるということも知っておいて頂ければ。
【編集後記】
昨日はセミナーの最終準備や法人の決算など。夕方に修理した車を引き取りに行ったりしました。株の評価も終わりホッとしています。
給料王19