数字のチェックに利益を見るのもいいけれど。
貸借対照表でもチェックしておくといいですよ。
貸借対照表のどこを見ればいいか?
毎月、月次決算をするのは、自分の現在地の数字をチェックするため。
「売上は?」「利益が出てる?」「経費は何が増えてる?」っていう数字の情報は毎月チェックしているという人でも、貸借対照表はなかなか…。
でも、貸借対照表こそ、見た方がいいんです。
なぜなら、貸借対照表には「儲かっているか」「儲かっていないか」以外にも見るべき情報があるから。
そうは言っても、それじゃあ、「貸借対照表のどこを見ればいいのか?」というのは、なかなか難しいかもしれません。
まずはざっくりイメージ図でざっくりと森を把握してみることは、やっておきたいです。
前月や前々月と比較してみる、前年同月と比較してみるという感じで。
資産でチェックしておきたい科目
貸借対照表の全体をイメージ図でチェックして見るのが「森」だとすれば、今度は少し「木」の部分も見てみましょう。
毎月の月次決算で、貸借対照表のどこを見ていくのか?ということです。
とは言っても、細かすぎてもやっぱり…。^^;
なので、まずはお金に絡むところだけを見ておくというのはおすすめです。
まずは資産、資産というのは貸借対照表の左側のことでしたね。
現金預金
貸借対照表でいちばん見やすいところ。
お金がなくなったら、食べていけなくなります。常に見る習慣を。
そうそう、預金の残高を通帳残高に合わせておくことは大前提です。
その残高はもちろん、「お金が増えたのか?」「減ったのか?」ということはチェックしてみましょう。
もちろん、「どうして?」という理由も知っておくべきです。
大きな投資をしたとか、入ってくるべき売上代金が入ってきていないということに気づくかもしれません。
売掛金
きちんと発生した月で計上していて、翌月入金などの場合、売掛金の金額は10月分の売上だけが残高になっているはずです。
例えば、10月分の売上は11月末入金なら、
- 10月分の請求書のうち仕訳されていないものがある
→ ①その売上が仕訳されていない ②仕訳が現金売上になっている - 9月分以前の売掛金が残っている
→ 未入金がある - 売掛金がマイナス残になっている
→ ①売上が計上されていない ②11月以降の売上で、前受金になるものが売掛金で仕訳されている
などといったところをチェックしてみましょう。
現金預金の残高が少ないとしたら、予定では入ってくるはずの入金がないから売掛金で残ったままということもあるかも…。
負債や純資産でチェックしておきたい科目
同じように貸借対照表の右側の負債や純資産も細かいものは見ようとしないで、かんたんなところから見てみましょう。
まずは負債です。人のお金を示していました。
買掛金・未払金
買掛金や未払金の伝票計上も、もちろん発生主義(10月分の取引なら10月伝票で仕訳する)です。
売掛金と同じように買掛金や未払金の残高を相手先ごとに確認して
- 9月分以前の買掛金や未払金が残ったまま
→ ①支払い処理もれ?
②現金払いなどに仕訳されている - 買掛金や未払金の残高がマイナス
→ 買掛金や未払金の仕訳入力もれ - もらった請求書があるのに仕訳にない
→ 買掛金や未払金の仕訳入力もれ
ということをチェックしてみましょう。
借入金
お金が増えたり減ったりという情報は、損益計算書ではわかりません。
だから借入れをしても損益計算書では、全くわからない情報。
銀行からお金を借りているのであれば、
- 残高は銀行の返済表と一致しているか?
- 借入金は増えたのか?減ったのか?
- 毎月いくら返済しているか?
といったことはチェックしてみましょう。
複数の銀行から借りていればExcelで返済表を作っておくのはおすすめです。
もう少し具体的に知りたければ、キャッシュフローグラフを作ってみてもいいですし、逆算で計算して見てもいいでしょうね。
純資産
最後は科目ではないのですが。資産と負債の差額である純資産。
純資産というのは自分のお金でした。
そうですか、忘れちゃいましたか?そんな「忘れちゃったな〜」という人は下記の記事を見て頂いてから、もう1回ここに戻ってきてください。
増資がない前提で。もし利益が出ているならば、この純資産は増えていますし、逆にマイナスであれば減っています。
当期純利益がプラスなら、貸借対照表の繰越利益に加算される仕組みです。
純資産が増えているかどうかというのは、貸借対照表でも要チェックのポイント。
貸借対照表の動きからも儲かったかどうかは、この純資産の動きでもわかります。
まとめ
貸借対照表の数字をチェックするなら
- 残高があっているか?
- 残高はいくらか?
- 増えたか?減ったか?理由は?
- 未入金の売上代金がないか?
- 買掛金や未払金を支払い忘れていないか?
まずはこういった情報から毎月見てみましょう。