昨日は初めての記帳継続指導というものを経験しました。
指導って??誰目線なんだ~?
記帳継続指導
税理士として独立すると、税理士会から来る仕事もあります。
その1つで、昨日は商工会議所の記帳継続指導というものに行ってきました。
指導って何か上からな感じで嫌なのですが・・・。^^;
私のいる愛知県の高浜市は、愛知県でも税理士の人数が少ない方であり、相談会や記帳指導税理士会のこういった担当があると、年齢で若い方であるワタシは担当になりやすいです。
今年はわたしが担当になり、その初日でした。
仕事内容としては、商工会議所の会員さんが記帳している帳簿をチェックして、記帳の仕方を説明したり、仕訳がおかしくないかをチェックするといったもの。
あとは税金の相談とかもあったり。
まぁ、こういったものも経験です。教えるのも嫌いじゃないですし。
わかりやすい帳簿にするためのルール
うち1人はフリーランスの女性でした。限られた時間の中で話しをした内容は次のようなことです。
記帳を楽にするためのツールを使うこと
記帳をするならもともとあるデータを活用するべきです。
預金であればネットバンクのデータを活用することができます。
自分で手入力していると「残高が合わない!」と何度も見直して確認するいったことがありますが、ネットバンクのデータを連動させればそれがありません。
入力を1つとばして「合わない!」と言っている時間がもったいないです。
自分でイチからつくるのではなく、あるものを活用していったほうが効率的です。
金額の大きい固定費は毎月平準化する
売上の数量に関係なく発生する費用を固定費といいます。
家賃だったり減価償却費、電気代、固定資産税といったものは毎月発生する費用だったり、年間にかかる費用です。
支払った日に費用計上していると、例えば月末払いで、その月末が休日だった場合には、翌月に2ヶ月分の費用が計上されることになります。
あとはこういった感じで家賃を2ヶ月分前払いしている場合であれば、1月の家賃は12万円、2月の家賃はゼロとなってしまいます。
2月分の家賃がタダならそれはおいしいですが、1月に2ヶ月分を払っているのです。
それなら、1月と2月に家賃が毎月計上されるように記帳をすれば、家賃の費用計上は平準化されて、数字を読みやすくなります。
粗利率を毎月見ていく
粗利益というものがあります。
売上から変動費を引いたものが粗利益といわれるものです。
変動費というのは、売上の数量が増えたときに、それに比例して増加する費用のことです。
変動費はざっくりと、仕入と外注費と決めてしまってもいいでしょう。
こんな感じで、仕入も月末に棚卸しをして在庫を計上すれば(表は便宜上仕入だけ表記)、だいたい粗利率は一定になります。(ここまできれいではないでしょうが。)
これをやっていて、粗利率が下がっていれば、異変に気づき、その原因追求もしやすくなります。
さらに前述のように固定費を平準化すると、もうかったか、もうからなかったかもわかりやすいです。
ちなみに現金主義で仕訳をしていると、こんな感じになります。
固定費もバラバラだし、仕入も仕入れたタイミングで費用計上して、在庫も考慮してないので粗利率もバラバラ。
これでは、もうかったかどうかもわかりません。
この3つをやるだけでもだいぶ違います。
いくら利益が必要か?数字で考える習慣を
フリーランスにとって一番大事なことは、事業を続けるために必要なお金を残しながら、自分の生活費も取れるような利益を出すこと。
そのためにはどれだけの売上が必要なのか?売上を増やすのに単価をUPするのか、数を増やせるのか?
仕入単価を触れるか、固定費は?といった検討がわかりやすい帳簿になっていればできます。
Excelを使えば、こういったこともできます。
そのためには少しの手間がかかっても、わかりやすい帳簿にしておくべきです。
事業規模が小さいうちにやっておくと、複数年のデータ比較もできて、分析もしやすく、数字も見やすいです。
【編集後記】
昨日は午後から商工会議所。女性のフリーランスの方は最初は自信なさげでしたが、記帳の仕方や数字の見方をざっくり説明し実践してもらったら、スポンジのような吸収力で、帰りはやる気になって笑顔で帰っていかれました。(笑)