フリーランスで仕事をしていて業績が上がってくると、法人成りをするケースあります。
この場合には、法人の手続きだけでなく、個人でも廃止手続きが必要となります。
法人側の手続きを記載した記事は多くあるので、そこではなく今回は個人事業の廃止にスポットを当ててみます。
法人成りするなら個人事業を廃止することに
フリーランスなど個人事業主の事業が順調に成長すると、法人を設立して個人でやっていた事業を法人に引き継ぐことがあります。
これが法人成りです。
法人で事業を開始するにあたっては、個人で使っていた資産などを法人に引き継いだりします。
なぜ、法人成りするのか。それにはいろんな理由がありますが主なものは次のようなものです。
- 個人事業が成長し、個人の税率が法人の税率よりも高くなる
- 個人事業で消費税がかかることになったので、法人成りをして2年免税期間を得る(要件満たした場合)
- 取引の都合上、法人化する必要が出てきた。(法人でないと取引しないなど)
法人成りをして、今後は法人で事業をするといったような場合には、個人事業は廃止することになります。
個人事業を廃止するために税務署に提出することが必要な書類とは
法人成りをして、個人事業を廃止する場合、いくつかの書類を税務署に提出する必要があります。
個人事業の開廃業等届出書
法人成りして、個人事業を廃止するなら個人事業の廃業等届出書を提出することになります。
所得税の青色申告の取りやめ届出書
青色申告で事業をしていたなら、法人成りするとともに青色申告の取りやめ届出書を提出する必要があります。
でも、社長として土地を会社に貸したりするなど、不動産所得や別の事業所得がある場合。
そんな場合には、そちらを青色申告にしておく必要があるので、この届出書は出さずにそのままにしておきましょう。
給与支払事務所等の廃止届出書
青色専従者である同一生計親族や従業員に給料を払っていた場合には、給与支払事務所等の廃止届出書を提出する必要があります。
事業廃止届出書(消費税の課税事業者であった場合)
消費税の納税をしていた場合に個人事業を廃止する場合には、この事業廃止届出書を提出する必要があります。
事業廃止年の確定申告を忘れるな
法人成りをして、意識が法人に行ってしまいますが、事業廃止の年の確定申告を忘れないようにしましょう。
法人化に伴って個人事業の廃止の日は、法人の設立の前日となります。
なので、法人設立日の前日までの損益はキッチリと個人事業で計上することになっています。
例えば、平成28年11月18日に法人を設立して事業を開始した場合には、個人事業は平成28年1月1日~平成28年11月17日までとなり、翌年の3月15日までに確定申告をすることになります。
特に注意したいのは、個人事業税の見込み控除です。
個人事業税は通常、その年の翌年3月15日までにする確定申告にもとづいて、翌年に納付することになります。
具体的には、平成28年11月17日に事業廃止をした場合、平成29年3月15日までにする確定申告の実績を踏まえて、個人事業税が平成29年の8月と11月に納付することになります。
だから納付するときには、すでに個人事業を廃止しているため、経費にできる場所がなくなっているわけです。
そんなわけで、事業廃止年に見込みで個人事業税を計算して、経費にしていいよということになっています。
この個人事業税の見込み控除を忘れないようにしましょう。
【編集後記】
昨日は、夕方から租税教室の打合せで刈谷市の中学校へ。教室も拝見しましたが自分が中学校の頃にはなかったような感じで、すごく楽しそうな雰囲気が伝わってきました。12/1に生徒の皆さんにどうやって税金の話を伝えるか考えないと。(^_^;)