売上が1,000万円を超えると、消費税を納める必要があります。
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消費税を納税する義務がなくても消費税のことは意識する
フリーランス、つまり個人事業者の場合には、
事業を初めて1年目は2年前の売上がないため、免税事業者。
2年目は、1年目の1月~6月までの売上か給与総額が1,000万円以下なら免税事業者です。
自ら課税事業者になっていければ、たいていの場合には、最低でも2年間は免税事業者になることが多いでしょう。
でも、消費税を納めていなくても、通常は売上の請求書に消費税を載せていることがほとんどです。
取引先からみたら、相手が消費税の納税義務者かどうかは厳密には判断できません。
こちらが10万円だけで消費税抜きで請求をしても、得意先は消費税の納税義務があれば、92,593円と消費税7,407円という扱いになります。
対して、こちらは売上10.8万円という認識になります。帳簿上は消費税は認識しません。
だから「免税事業者だから消費税はいりません。」とすることは、それは値引きしたことと同じことになってしまいます。
消費税をもらっていても、納税義務がなければ、本来納めるべき消費税は益税といって収入扱いになります。
フリーランスは事業を始めてその期間は消費税を納める必要はありません。
免税事業者でも消費税までしっかり請求して、事業を続けるための資金を最大化するべきでしょう。
消費税を納めることになったら、計算方式を検討しよう
今は消費税を納めることになる場合はいろんなパターンがあります。
① 2年前の売上が1,000万円を超えた
② 2年前の売上が1,000万円を超えていなくても、1年前の1月から6月までの売上か給与支払額が1,000万円を超えた
③ 課税事業者選択届出書を提出して自ら課税事業者となった(還付を受けたい場合など、選択すると2年継続適用)
①で考えた場合、昨年の売上が1,000万円を超えた場合には、来年から消費税の納税義務者になるため、この間に消費税の計算方法をどちらにするのか決めておきたいです。
具体的には「原則課税」と「簡易課税」です。サービス業の場合で考えてみます。
原則課税
売上にかかる消費税額からものを買ったり、サービスの提供を受けたときに払った消費税額を差し引いて差額を納税する計算方法です。
売上が1,200万円、消費税のかかる費用が400万円の場合、1200万円×8% -400万円×8% = 64万円が納税額です。
払った消費税額の方が売上にかかる消費税額より多い場合には還付となります。
簡易課税
売上にかかる消費税額だけで消費税の納税額を計算します。この際、売上にかかる消費税額から差し引く消費税額は、売上にかかる消費税額に業種ごとに決められた「みなし仕入率」をかけて計算します。
① 卸売業 90%
② 小売業 80%
③ 製造業など 70%
④ 飲食店業その他 60%
⑤ サービス業 50%
⑥ 不動産業 40%
先程と同様、売上が1,200万円、消費税のかかる費用が400万円の場合、
サービス業であれば、⑤なので、1,200万円×8% -(1,200万円×50%)×8% = 48万円が納税額となります。
この際、費用の400万円については、計算の考慮外です。
結局、どちらの計算方式を採用するかによって納税額が変わってきます。
簡易課税にするには、2年前の売上が5,000万円以下であること、「簡易課税制度選択届出書」を提出していることが必要です。
さらに1度適用すると、2年は継続適用となります。
設備投資を近い将来予定しているのであれば、還付を受けることができなくなるので、選択には注意が必要です。
簡易課税を採用する場合の注意点
この消費税の難しいところは、消費税の納税の年が始まる前に原則課税か簡易課税かを決めなければいけないところです。
これを、より精度高く判断するには、2年目の実績を見て、どちらにするか判断するのがいいでしょう。
1年目は事業開始のための初期投資があったりするので、実態を把握するには2年目をある程度、見てからの方がより検討しやすいです。
そのためには、2年目の記帳もしっかりしておく必要があります。
簡易課税にするのであれば、提出期限までに簡易課税制度選択届出書を提出する必要があります。
簡易課税にするなら簡易課税制度選択届出書は必ず期限までに提出する 翌日期限はない
簡易課税制度選択届出書を提出するタイミングに注意する必要があります。
通常の申告書の提出、納税は提出期限、納付期限の日が休みの場合には、翌日が申告期限、納付期限日となりますが、簡易課税制度選択届出書の提出は、期限当日が休日で、翌日に提出してもそれはアウトになります。
つまり、簡易課税制度を選択しようと思って、今年の12/31に提出しようと思ったら、土曜日だから申告書と一緒で休み明けの1/3(火)に提出すると、来年は簡易課税が有利だったのに、原則課税で計算することになってしまいます。
消費税は負担が大きいだけに税理士に相談するなどして慎重に判断するようにしましょう。
【編集後記】
今週から待ちに待ったキャプテン翼の連載が復活しました。これは嬉しいことです。そして残念ながら名古屋グランパスはJ2に落ちてしまいました。まさかホームですでにJ2落ちが決まっている平塚勝てないとは予想外・・・。^^;まぁ、そういうこともありますね。