税理士試験は4年目で合格しました。
税理士になることを決意した時、1年目~3年目までの話はこれまでに書いてきました。
税理士試験の記事は他の記事と少し違った感じを意識して書いています。
当時の心理をできるだけ思い出して、できるだけ細かくストーリー性を持たせて・・・といった感じです。
専念はもう資金的にも限界 会計事務所へ就職
3回目の試験を終えた後、就職をしようと仕事を探し始めました。
これまでは退職金と奥さんが働いてくれていた頑張りで、何とかやってこれましたが、さすがに貯金も底が見え始めていました。
3年間、受験専念できる環境があっただけでもありがたいものです。そもそも本来2年間のところを3年間にしてもらっていたわけで・・・。^^;
この夏に「法人税法」と「相続税法」を受験して、どちらも手応えはありました。
(どちらかというと「相続税法」の方が可能性が低いかなと思っていました。)
そんなわけで、少なくともどちらか1科目が合格していれば、受験はできるだろうと考え、就職先を探すことにしました。
受験を考慮してくれる会計事務所を希望
あと最大で2科目ですが、この時点で「少なくともどちらか1科目は合格しているだろう。」という根拠の無い自信はありました。
ただ、それでも税理士試験は競争試験です。
会計事務所に勤務しても残業がすごく多いということであれば、勉強をする時間が土日しかなくなり、せっかく覚えた理論も忘れてしまうというのが一番怖かったわけです。
なので、税理士試験を応援してくれる、残業が繁忙期以外にはない事務所を希望しました。
採用側からしたらワガママなのでしょうが、そうも言ってられません。
インターネットで会計事務所の就職斡旋会社、リクナビ、会計事務所HPを検索し、”税理士事務所 転職”、”税理士事務所 採用”など色々、キーワードを変えて毎日、何度も探しました。
探してみると、驚いたことに意外と税理士試験を応援してくれるスタンスの会計事務所が多かったのです。
ただ、この業界は特に資格がないと給料は安いです。(資格があっても安いところも普通にあります。)
紹介会社などに行くと、「給料もある程度あって、残業もあまりない。となると今はないですね~。」とはよく言われたものです。
紹介会社にしてみたら、高望みをしていると思われたでしょうが、これまで奥さんに苦労させたことを思うと、そこは妥協できない部分でした。
「諦めずに自分自身をアピールして売り込んでいくしかない。」と考えました。
諦めずにネットで探した結果、ついに自分が希望するような事務所があり、面接を経て何とか就職することができました。
ここで採用して頂いたことには素直に感謝です。
相続税法が合格 あと1科目
12月の発表で「相続税法」が合格していたことがわかりました。両方合格してくれていると一番良かったのですが、最悪のケースは回避しました。
仕事も他の職員の皆さんが時間通りに終えていたので、ここは助かりました。受験勉強をする上での環境には恵まれました。
「法人税法」はこれで3回目ですが、それでもボリュームは多いし、今度は受験専念ではなく、当然、勉強量も減っていたため助かりました。
受験勉強はどこでもやった 歩き勉強も
仕事は9:00~17:00でしたが、普段は遅くとも18:00には帰れていました。
(時々、残業がありましたが、おそらく少ない方です。)
そのままTACに直行して、授業がない日は19時~21時過ぎまで自習していました。
ただ、確定申告の時期や3月決算の申告がある5~6月は残業があり、平日は勉強できない日が続きました。
4年目の勉強時間について
発表後の1月以降は、できるだけTACに行くようにしていました。土日は基本的には2年目以降変えていません。
- 平日は仕事が終わったらTAC(残業があり、到着が20時以降になりそうなら行かない)
- 土曜日は17時まで(その後は妻と食事などお出かけ)
- 日曜日は朝から18時頃までTAC(ただし月1回は休む)
スキマ時間をスキマなく活用
受験専念の時よりも、活用できる時間は減りました。スキマ時間があればできるだけ勉強できるような状態にはしていました。
仕事しながら受験されている方であれば、同じような感じではないでしょうか。
- 職場での昼食はできるだけ弁当を持参し、食事後に人のいるところを避けて理論を暗記(回す)。
- 帰宅して1時間でも時間があれば、計算の総合問題を解いた。(計算なら家でもできました。)
- 通勤時の電車の中でも理論を回した。
- 駅から自宅までの間、歩いて帰る場合には、理論をブツブツ諳んじて帰った。(人がいる時は避けましたが・・・。
「歩きスマホ」は他の方の迷惑になるのでしょうが、「歩き理論」はきっと大丈夫でしょう。(笑)
流石に「法人税法」も3回目ということもあり、1回目よりも、2回目よりも負担感は減少し、助かりました。
前年までのジャブは確実に効いていました。
時間も減ったけど、科目も減ったんじゃないのという考えもあるかも知れませんが、とにかく早く合格したかったので、1科目になっても力を緩める気にはなれませんでした。
一度緩んだら、緩み続けて終わるという危機感もありました。
4回目の本試験 計算で見た問題が理論でズバッと出た
本試験もこれで4回目になりました。
本試験前日まで諦めずに 何が起こるかわからない
「法人税法」は一番合格までに苦労した科目です。4回目でも周りの受験生もたくさんいて、この緊張感には全く慣れません。
みんな一生懸命、テキストを見なおししていて、「周りの方はみんな自分より優秀な人ばかりじゃないか?」とよく思ったものです。
本試験が開始され、問題のページをめくりました。
ちなみにいつも私は、理論1問→計算→理論1問の順にやっていました。
理論から2問続けてやろうとすると、焦って読み間違えそうだったからです。
理論の問題をサッと読んで2問見て、簡単な方の理論を解いて、計算の方をある程度解いてから、難しい方の理論を解いていました。
(以下続きです)
問題のページをめくり、理論の問題を読んだらあることに気づきました。
「あれ?この問題、計算でやった問題じゃないの?」、「こんなことあるのか?」
計算でやったことのある問題が、理論で仕訳を含めて説明する問題として出題されたのです。
次の瞬間、拳を握り、心のなかで「よし!」とガッツポーズです。(笑)
しかし、こういうときこそ慎重に問題を読まなければいけません。1つ間違えて読めばすべてが終わります。
この問題は3回位読んだと思います。(特に注意するところは線も引いたり)
計算も解き、もう1問の理論を解き、4回目の本試験が終わりました。
計算も理論も何回受験しても難しかったですが、この年から試験委員が変わったこともあり、チャンスはこれまでで1番あると思いました。
ついに合格 友人から聞いて知ったその事実
4回目の本試験がおわった後は、勉強もあまりしませんでした。結果が出てからやろうと思っていました。
仕事も忙しい時期がありましたので、本当にたまに見直す程度です。
そして、12月の合格発表の日が来ました。
その日は朝からいつも通り事務所でパソコンに向かって仕事をしていました。
今回は、5科目目のため官報での発表になります。
気にはなっていましたが、何故かこの時は発表のことが頭から離れていました。
その時、携帯のメール着信音が鳴りました。
その瞬間、発表のことを思い出して、トイレに駆け込みました。
スーツに入っていた携帯を取り出し、メールを確認すると友人からでした。
「合格おめでとうございます。」の文字が目に入ってきました。
「えっ?」、「合格したのか??」と何度も見返し、すぐにメールを返信「合格??」と。
すぐに返信があり、「そうです。」と。
この瞬間、合格の喜びと「ようやく終わった」という安堵感が一気に押し寄せてきました。
そして、トイレから出ると、当時の事務所の先生からもネットで官報を見たそうで「おめでとう!合格したね。」とのお言葉を頂きました。
ちなみに私は当時、インターネットで官報を見れることを知りませんでした。(笑)
すぐに妻に連絡し、合格を伝えました。もちろん、大喜びしてくれました。
その後も多くの方から「おめでとう」を頂きました。
多くの方に支えられ勝ち取った合格 税理士試験を終えて思うこと
長かった受験が終わりました。
私が4年間税理士試験を経験して思ったことは、「諦めずに努力をしていれば必ず合格する試験」ということです。
それと「決して1人ではできない」ということです。家族、友人、先生、職場の方など今回も多くの方に支えられて勝ち取ることが出来たものです。
この経験というのが、今の税理士業の中で私の大きな柱になっています。大変な期間ですが、それだけに大事な期間でもありました。
辛い時もあり、長くもあった税理士試験の期間も、ある方から「後で振り返ればアリのように小さな点になる」と言われたことを思い出しました。
【編集後記】
昨日は1日オフ 午前中は家で子どもにプールを作ってあげてまったりと。午後は買い物などブラブラしました。
【お知らせ】
8/20(土)15:00~ TAC名古屋校の「実務家セミナー」にてお話させて頂きます。税理士受験を志す方であれば、どなたでも参加無料だそうです。
興味あれば是非。内容は税理士に合格した後にこれまで何をしてきたか?何が必要かという話を中心に。かなり煽り気味のチラシはコチラ