1年目の税理士試験を終えたところから書いてみます。
とりあえずは前向きに未受験科目を選択
最初の試験で「簿記論」、「財務諸表論」、そして「消費税法」の3科目を受験しました。
9月からの新カリキュラムで受講する科目を決めなければいけません。この科目選択はそう迷いませんでした。
1つは、もともと企業の勤務経験もあり興味があったので、「法人税法」で決まりです。
もう1つは「所得税法」と「相続税法」で検討しました。
所得税法で国税3法という選択肢もあったのでしょうが、説明会でテキストを見て、面白そうだなと興味をもった「相続税法」を選択しました。
当然、この段階では受験した3科目についても、合格の可能性をある程度信じていました。
コースもやはり最短を考慮した年内完結コースを選択しました。
12月までに一通りのことは学習します。これであれば仮に1科目不合格でも3科目やり切ることができると考えました。
また最悪2科目不合格だとしても1回は一通りのことを学ぶので来年につなげることもできます。
2年合格が無理なら、3年合格を狙います。
新しい科目、しかも「消費税法」よりもボリュームが多い「法人税法」と「相続税法」を選択したわけです。条文の暗記の数も当然多くなるため、専念だとしても大変なボリュームです。
そのため、本試験で受験した3科目については、合格発表まで特に何もしませんでした。
まさかの1科目合格 簿記論はもう1回やりたくない。
試験結果がでました。結果はまさかの1科目合格でした。2科目が不合格で「1勝2敗」でした。
私の「2年合格計画」は音を立てて崩れ去ったわけです。
「あと2科目」のはずが「まだあと4科目」なわけです。
正直、合格発表の日は相当落ち込みました。
ただ、いつまでも落ち込んでばかりはいられません。気持ちを切り替えなければ前に進むことができません。
こうなるとこのままだと4科目を勉強することになり、受験専念でも3科目が限界。現実的ではありません。
結果、相続税法を切りました。2年めは「簿記論」、「消費税法」、「法人税法」でいくことにしました。
ところが、落ちた2科目のうち、特に簿記論については最初やる気が出ませんでした。
「また簿記論やるのか・・・」それくらい簿記論はやりました。
また同じ問題をやるだけではモチベーションがあがりません。
消費税はまだやれることがあったので、比較的切り替えが上手くいきました。
ただ、それでもカリキュラムは進んでいきます。
最初はほとんど気が入らずに簿記論を受講していましたが、そのうち法人税法の範囲があまりに広くて、「計算しかない簿記論だから、法人税法をやれる時間がある」という考え方に変わりました。
何でも気の持ち方1つですね。
2年目の勉強について 1年目のジャブがやっぱり効いていた
進め方自体は1年目にやっていたこととほとんど同じです。
わからないことがあれば先生に聞きに行ったり、テストでは毎回成績優秀者に名前を載せることを目標にするなどです。
ちなみに学習のウェイトは法人税7、消費税2、簿記論1でした。
これは最後までウェイトは変わりませんでした。消費税と簿記論が低いウェイトで行けたのは、やっぱり1年目に勉強していたことが大きかったです。
もし、法人税法と相続税法だったら、こうはいかなかったでしょう。
2年目に1年目と変えたこと
1番大きな変更は休みを取るようにしたことです。
1年目は土曜日の夕方も日曜日もほとんど休みなくTACで勉強していました。
ただ1年目に満足のいく結果が出なかったことで、講師の方に言われた「休むと頭がかえって整理される」という言葉を受け入れてみようと思いました。(1年目は焦りがあってそんな気持ちにとてもなりませんでした。)
具体的には月曜日~金曜日までは朝8時半~夜21時まではTACで授業と自習、土曜日は朝8時半~夕方5時までTAC 5時以降で妻と食事など
日曜日は基本的には月に1回だけは休むことにしました。
「月1回じゃほとんど変わってないじゃん。」という意見もあろうかと思いますが、これでも私にとっては大きな変革でした。(笑)
月1日でも休んでいたら、みんなに遅れをとるという焦燥感もありました。でも家庭もあったので休むことも必要だと最後は割り切りました。(実際、他の人は他でお休みをとっていると思いますが、当時の私には全く見えていません・・・)
法人税の勉強
法人税法は覚える理論(条文を簡略化したもの)も100題を超えていて受験税法の中ではおそらく一番多いです。
理論については「テストの時にしっかり覚えたら、一旦は忘れてもいいよ。」と先生に言われたのを鵜呑みにしたら、見事にほぼゼロの状態になり、かなりあせったのを今でも覚えています。(笑)
それからは3日に1回のペースで、理論を覚えているか確認(受験用語で「理論を回す」といいます。)していました。
実力テストなどの試験のときに理論用紙に条文を書くのですが、この速さも要求されました。
速記用のボールペンを使って、理論を書くスピードにこだわりました。その分計算問題を解く時間を増やすことができるので。
さらに計算は複雑で、かつスピードも要求されました。もちろん正確なのは大前提です。
法人税法の1年目は正直キツかったです。キツかったけど、理論も計算もわかってくると楽しかった科目でもありました。
会社員時代に法人税の申告書を見たことがあったので、やっていることも社会に出たことのない受験生に比べたらのイメージしやすかったんじゃないかなと思います。
「社会人を経験してから税理士試験を受験する。」というのはある意味いいルートだったんだなぁと思うこともありました。
消費税の勉強
2年目はテキストの内容はある程度把握していたので、不合格の場合の保険として9月から上級演習コース(問題演習のみ)を通信で受講し、合格発表まで問題は一切やりませんでした。
発表後から上級演習コースの問題を何度も繰り返し解きました。
レベル的には通常の講義でやる計算問題よりも2ランク位上の問題でした。
最初は間違いがとても多く、「全然わかってないな。」と自分自身を反省していましたが、やはり何度も繰り返すと解けるようになります。
それに計算のスピードも速くなってきます。
その効果あってか、1月から上級コースに入っても問題はここでやっていたものより簡単で、けっこう成績優秀者に名前を載せることができ、法人税法のボリュームに押されながらも、1月以降もあまり負荷を感じることなく勉強することができました。
やっぱり「何度も何度も繰り返すことが大事」ということを体感しました。
簿記論の勉強
他の2科目に比べると書くことがありません。(笑)カリキュラム通りの勉強です。なんといってもウェイトは1でしたから・・・
実力テスト、全国公開模試
基本的には毎度の試験で成績優秀者に名前を載せることを目標に勉強していました。
勉強も順調にすすめることができていましたし、全国公開模試でも消費税だけは成績優秀者に名前を載せることができました。簿記論や法人税法は載らず。
しかし、やっぱり全国公開模試の結果は本試験には何の影響もないわけです。
2回目の合格発表 「まだ4科目」が「あと2科目」に変わった日
学校の試験でもいい位置にいましたから、勝負できると望んだ2年目の本試験。
2年目は科目の関係上2日間にわたって受験しました。(1年めは3科目すべて1日目)
2年に渡る3科目受験はキツかったですが、あとは結果を待つのみです。試験会場で会った何人かの仲間とはお互いの労を讃え合いました。
仲間の存在があり、助けられた部分も思い返されます。「○○は絶対、合格しているから大丈夫!」とお互いに言っていました。
そして12月に発表があり、結果は「簿記論」と「消費税」は合格、法人税法は「B」でした。
法人税法は毎年すごく難しい問題です。その年の問題もかなり難しく、さらに私もかなり手応えがなかったので、この結果はある意味納得でした。
しかし「簿記論」、「消費税」の2科目が合格しました。これは私の中では大きなことでした。
「まだ4科目もある」が「あと2科目」に変わったのです。仕事を退職してまで始めた税理士試験の勉強、いきなり崖っぷちでしたから、「絶対合格している!」と信じ込んでいても、内心は今年も合格発表までドキドキでした。
まだ遠目ですが、少し明るい光が見え始めました。3年目で合格できる可能性が出てきました。
1年目のどん底に落ちた僕を救ってくれた言葉を紹介しておきます。この言葉をくれた先生には今でも感謝しています。
「税理士試験というのは、努力の量が多い人から順番に合格していく試験です。今回の結果が望んだ結果じゃなかったとしても、最後の5科目合格には努力の量が多い人から順番にたどり着く。」「だからあきらめずに長い目で税理士試験に取り組んで下さい。」
この言葉が2年目の私を支えてくれました。実際に税理士試験を終えた立場になって、この言葉に偽りはないと思います。
【編集後記】
昨日は1日オフでした。午前中から外出。朝は近所の公園で子どもと水遊びを楽しみました。午後は新しく名古屋にできた東京インテリアとイオンモール名古屋茶屋へ
子どもたちと遊ぶとリフレッシュできていいですね。ありがたい存在です。