久しぶりに名古屋駅に出たので、普段食べないものを食べてみました。
話のネタになります。

Salt Water by David Myers(大名古屋ビルヂング)
通常、建物を取得した場合には、登記をすることになります。
根拠法は下記です。
(建物の表題登記の申請)
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。(不動産登記法第47条)
表題登記とは所在・種類・構造・床面積および所有者の住所・氏名を記録する登記です。(Excelで言うと、「名前を付けて保存」するイメージでしょうか。)
ちなみに登記をしなかった場合には10万円以下の過料に処するとあります。(不動産登記法第164条)
しかし、実際には登記がされていない、「未登記」の建物がたくさん存在します。
なぜ未登記建物があるのか?
通常、マイホームを購入する場合などは、金融機関から融資を受け、購入した土地や建物に抵当権(担保権)を設定するため、登記をすることになります。
しかし、これは昔のものが多いですが、現金で購入した場合には融資を受けず、登記をする必要に迫られないことになります。
- 相続により所有権移転登記をすることになったが司法書士から未登記だと言われた
- 売却する際に、不動産業者から未登記のため、登記してほしいと言われた
といったように実際には未登記建物が移転する場面にならないと、未登記のままになることが実務上は多いです。
未登記建物かどうかを確認するには…?
未登記建物かどうかの確認はどのようにして行うのか?
法務局で所在地の建物の「全部事項証明書」を請求した場合に、取得できなければ「未登記建物」ということになります。
ただもっと簡単にある程度把握できる方法があります。
それは市町村からくる「固定資産税の課税明細書」を見ることです。
(横浜市のHPより引用)
このように所有している不動産の情報(所在地や課税床面積、評価額など)を記載したもので、4月以降に固定資産税の納付書に同封されて送付されます。
この明細を見ると市町村によって異なるかもしれませんが、
例えば名古屋市の場合には、登記がされていると、住所の横に家屋番号の記載があります。
(いい画像がないので、Excelで作ってみました。)
この家屋番号の記載がない場合には、未登記建物の可能性が高いです。
未登記のままでは、第3者への売却ができないので、不動産業者から「登記をして下さい。」と言われるわけです。
固定資産税の問題とは・・・
未登記建物だから固定資産税は課税されないのでしょうか?
答えはNOです。
未登記建物でも「固定資産税の課税明細書」に載ってきます。
市町村がどこまで把握できているかは正直わかりませんが、現況調査をして、ある程度は把握しています。
では、未登記建物の所有者は把握できるのか?
これは登記がされていないため、完全な把握はできないです。
所有者と思われる方に納付書を送付してきます。
既にお亡くなりになった先代の名義で届いた通知書を見たことがあります。(笑)
あと、未登記建物を売買した場合に、前年中に売って、すでに手放した方に今年の固定資産税
の納付書が届いてしまうなんてこともあります。
結局、登記がされていないために、市町村は所有者の異動を把握できないのです。
市町村で固定資産税の納税義務者変更手続きをする
こういった実態に合わないことを回避するために、市町村の固定資産税課(市町村によって資産税課など名称は違うかもしれません。)などで納税義務者変更手続きをする必要があります。
この手続きをすることで、固定資産税の納付書は正しい所有者に届くことになります。
参考までに名古屋市の場合に必要となる書類を記載しておきます。他の市町村も書類の名称が違うかもしれませんが、手続きは同様になります。
売買の場合
- 売買契約書
- 印鑑証明書(下記の書類にに実印を押捺するため)
- 「家屋補充課税台帳登録事項等の相違に基づく届出書」
※ 例えば岐阜市では「未登記家屋納税義務者変更申請書」という名称です。
(この辺、統一してくれるといいです。)
相続の場合
- 被相続人の出生から死亡までの経過がわかる戸籍謄本等
- 相続関係説明図(家系図のイメージです)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(遺言の場合には遺言書)
- 印鑑証明書
- 「家屋補充課税台帳登録事項等の相違に基づく届出書」
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【編集後記】
今日は久しぶりに名古屋駅に行きました。
たまにはいつもと違う環境に触れることも大事ですね。
午後には、1つオファーを頂きました。ありがたいです。
だいぶ先ですが、税理士受験生の前で「実務家」として話す機会を頂けそうです。
役に立つ情報を発信できるよう今から少しずつ準備していきたいと思います。
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